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佐藤優・評 『情報と国家』=北村滋・著

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『情報と国家 憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点』
『情報と国家 憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点』

 (中央公論新社・3300円)

自由と相いれない経済安全保障

 内閣情報調査室(内調)は誤解されやすい組織だ。小説や映画の影響と思われるが、内調が政権にとって好ましくない人を尾行し、秘密を握り罠(わな)に掛けるとか、インターネット上に書き込みをして情報操作をするなどの謀略に従事しているという印象を持っている人が意外と多い。内調は結集した少数精鋭組織なので、尾行する要員はいないし、ネットに書き込んで情報操作をするような暇もない。

 別の誤解は、内調のインテリジェンス能力が低いというものだ。国際基準で見て、内調の能力は高い。CIA(米中央情報局)、SIS(英秘密情報部、いわゆるMI6)のみならずモサド(イスラエル諜報(ちょうほう)特務庁)やSVR(ロシア対外諜報庁)も内調を高く評価し、積極的に協力している。

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