バイデン政権、ファーウェイ制裁は継続へ 副会長と司法取引で合意

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 米司法省が24日、カナダで拘束されて米国で起訴された中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟被告(49)と司法取引で合意したことは、安全保障や人権、先端技術分野で対立を深める米中関係の緊張緩和に向けた一歩になりそうだ。ただ、バイデン政権は安全保障上の脅威とみなすファーウェイへの制裁は継続する方針で、先端技術を巡る米中摩擦は終わりそうにない。

 政府レベルの対話がほとんど進まないほど米中関係が冷え込むなか、中国側は関係正常化に向けた要求の一つとして孟副会長の釈放を求めていたとされる。バイデン大統領と習近平国家主席は今月9日の電話協議で「競争が衝突に発展しないようにする責任」について議論。バイデン氏は21日の国連総会演説で「新たな冷戦は望んでいない」と述べ、気候変動問題などでの協調を呼びかけた。その後、米司法省が孟副会長との司法取引に踏み切ったことは、中国側に関係修復を促す米国のメッセージともいえそうだ。

 一方、バイデン政権はファーウェイ制裁や製品排除は継続する方針だ。

 トランプ前政権は2019年5月、ファーウェイ製の通信機器が「中国政府や軍によるスパイ活動やサイバー攻撃に利用される」と主張し、同社に対する輸出禁止措置を発動。昨年9月には禁輸措置の対象を米国の技術を利用した外国製半導体に拡大した。さらに、米国の通信網で同社製機器の使用を禁じているほか、各国政府や通信会社に第5世代(5G)移動通信ネットワークからファーウェイ製品を排除するよう働き掛けている。

 バイデン政権がファーウェイ制裁を継続している背景には米議会や世論の反中感情があり、輸出規制を担当するレモンド商務長官は米議会で「ファーウェイへの禁輸措置を取り下げる理由はない」と明言した。さらに商務省は、ファーウェイが昨年売却した若者向けスマートフォンブランド「栄耀(オナー)」を通じて米国の半導体を調達している疑いを調査しており、今後、制裁を強化する可能性もある。

 米国の制裁を受け、ファーウェイは高性能の半導体や米グーグルのスマホ向けソフトが入手できなくなり、21年のスマホ事業の売上高は前年から6~8割減少する見通しだ。CFOである孟副会長の釈放が実現するとはいえ、米国の制裁が残る限りファーウェイの苦境は続きそうだ。【ワシントン中井正裕】

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