昭和喫茶で商店街に活気を 廃業の魚屋改装、山梨にオープン

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開店を控え、富士山が大書きされた喫茶檸檬の店内で打ち合わせる千原徹也さん(右)と永谷亜矢子さん=山梨県富士吉田市で2021年9月24日、山本悟撮影 拡大
開店を控え、富士山が大書きされた喫茶檸檬の店内で打ち合わせる千原徹也さん(右)と永谷亜矢子さん=山梨県富士吉田市で2021年9月24日、山本悟撮影

 山梨県富士吉田市の商店街にかつてのにぎわいを取り戻そうと、東京都内で活躍するアートディレクターが市と連携し、昭和の面影を残す市の目ぬき通りの空き店舗を活用した喫茶店を26日にオープンする。さまざまな職種や考え方の人たちが集い、中心市街地の活性化に向け知恵や発想、技術を生み出す場を目指す。【山本悟】

 このアートディレクターは、商品などのイメージアップを図るブランディングをはじめ、映像デザインや雑誌編集などを手がける千原徹也さん(45)。歌手の桑田佳祐さんのCDジャケットもデザインし、都内でデザイン塾を主宰するなど幅広く活躍している。

 同市下吉田の本町通りは、明かり窓にステンドグラスを配した旧たばこ販売所や木の格子戸の店舗、踏み石を連ねた狭い路地など昭和時代の風情が残る。この通りに出店するのが「喫茶檸檬(れもん)」で、千原さんが社長を務める会社が運営する。

 オープンを前に24日に関係者に公開された。廃業した魚屋店舗を活用した約84平方メートルの店内には、銭湯絵師による富士山が壁一面に描かれた。市は店舗内装のリノベーション(改装)などを行った。店員のエプロンなどには地場産業の織物を活用。野菜や甲州地鶏、甲州ワインなど地元の食材を使った食事も提供する。

 同市などによると、中心市街地は、織物問屋を訪れた商売人が土産物などを買うために栄えて商店街ができた。ところが、1970年代から市内に大型店舗ができ、都留市への定期バスの廃止などで徐々に衰退。富士吉田商工会議所によると、中心市街地にある9商店会の加盟店は2001年に105店あったのが11年には87店、現在は65店と減り続けている。

 市は商店街振興に向け多方面で活躍する人と相談や交渉を重ねた。若年女性向けのファッションイベント「東京ガールズコレクション」の立ち上げ人として知られる立教大客員教授の永谷亜矢子さんを通して千原さんが応諾した。千原さんは「都会の若者や外国人観光客が、活気があった昭和の時代に注目している。本町通りには昭和の時代を思わせる雰囲気があって可能性を秘めている」と話している。

 喫茶檸檬(同市下吉田2の2の27)は月曜定休。問い合わせは同店(0555・73・9688)。

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