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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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「スリランカ人女性の映像、全面公開を」 200人が沈黙のデモ

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ウィシュマさんの監視カメラ映像の全面開示などを求め法務省や出入国在留管理庁周辺を行進する人々=2021年9月25日、和田浩明撮影 拡大
ウィシュマさんの監視カメラ映像の全面開示などを求め法務省や出入国在留管理庁周辺を行進する人々=2021年9月25日、和田浩明撮影

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月に死亡した問題を巡り、収容中の監視カメラ映像の全面公開を求めるデモが25日、全国各地で行われた。東京・霞が関では約200人が真相究明と再発防止を訴え、出入国在留管理庁や法務省の周囲を静かに行進した。

 東京のデモは、外国人労働者や住民を支援する学生などの団体「BOND」が主催した。開始前には、ウィシュマさんの妹で23日に帰国したワユミさん(29)が「ビデオが全て開示されるまで心を寄せてください。これまでの支援に深く感謝します」と呼びかけるメッセージが読み上げられた。

 クルド人難民の支援活動をしている、上智大4年の岩本奈々さん(22)は「ビデオの開示とともに、入管収容施設の外でも外国人の人権、生活権が認められるよう声を上げたい」と話した。国際基督教大1年の宮島ヨハナさん(19)は「映像の開示にこんなに長くかかるとは。入管は早く対応すべきだ」と訴えた。

ウィシュマさんの監視カメラ映像の全面開示などを求め法務省や出入国在留管理庁周辺を行進する人々=2021年9月25日、和田浩明撮影 拡大
ウィシュマさんの監視カメラ映像の全面開示などを求め法務省や出入国在留管理庁周辺を行進する人々=2021年9月25日、和田浩明撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、主催者側は「サイレント(沈黙)でプラカードを掲げて訴えて」と呼びかけた。マスクをつけた参加者らは「被収容者は人間です」「全ての人の生存権の保障を求めます」「ビデオを公開しろ」などと書かれた紙やプラカードを持ち、声を出さずに歩いた。

 監視映像の開示を巡っては、BONDなどによる「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」がインターネット上で賛同者の署名を集めている。25日午前までに8万1000筆以上が寄せられたという。

 ウィシュマさんの監視カメラ映像は約2週間分あるが、入管側は2時間程度に編集した上で、8月12日に遺族2人に開示した。しかし半分ほど閲覧した時点で、内容にショックを受けたワユミさんが体調を崩した。残りの映像は9月10日に閲覧する機会が設けられたが、入管側が代理人弁護士の同席を「保安上の理由」などにより拒否したため、遺族は見ないまま退席した。ワユミさんは、帰国を決めた理由について「弁護士の同席なしに開示された映像で大きな精神的打撃を受けた」と説明した。

 ウィシュマさんは2020年8月にビザのオーバーステイで名古屋入管に収容された。21年1月中旬ごろから体調不良を訴え、点滴の実施や、健康状態の悪化などで一時的に収容を解く仮放免などを求めたが認められず、3月6日に緊急搬送先の名古屋市内の病院で死亡が確認された。入管庁は8月に経緯の調査報告書を公表したが、具体的な死因は明らかにせず、監視カメラ映像の全面開示も拒否したままだ。【和田浩明/デジタル報道センター】

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