編集者×漫画家 バトルで魅了した「少年ジャンプ+」の異色作品賞

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ユーチューブでの配信番組の一場面。最終課題審査で提出された作品のそれぞれのキャラクター。細野修平・ジャンプ+(プラス)編集長は「予想以上のクオリティーの作品が集まった」と話した
ユーチューブでの配信番組の一場面。最終課題審査で提出された作品のそれぞれのキャラクター。細野修平・ジャンプ+(プラス)編集長は「予想以上のクオリティーの作品が集まった」と話した

 この夏、漫画愛好家の間で話題となった異色の漫画賞があった。集英社の漫画誌アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」の漫画家発掘オーディション「MILLION TAG(ミリオンタッグ)」。審査対象の作品作りや選考の過程を、ドキュメンタリー形式の番組にして動画配信した。6組の新人漫画家とともに映し出されたのは、タッグを組んだ編集者それぞれのリアルな姿。仕掛け人の「少年ジャンプ+」細野修平編集長に聞くと、激動の漫画業界で生き残るための狙いが見えてきた。【松倉佑輔/デジタル報道センター】

ユーチューブで話題の異色番組

 <個人的に漫画家だけでなく編集者さんにも焦点を当ててくれてるのが嬉(うれ)しい>

 <編集者さんがどんな仕事してるとか漫画家さんとどんな話してるとか知らないことだらけ!>

 <編集者さんも漫画家さんもそれぞれ強い個性があって凄(すご)く面白い!>

 これらは7月2日~8月20日に、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」の「ジャンプチャンネル」で配信された「MILLION TAG」(https://sp.shonenjump.com/p/sp/million-tag/)に寄せられた視聴者のコメントだ。優勝者決定までの配信番組は全8話で、再生回数が30万回を超える回もあるなど、特に業界や漫画愛好家の間で注目された。

 「MILLION TAG」は、「少年ジャンプ+」が新しく開催した新人漫画賞の企画だ。約200作品の応募から選抜された新人漫画家6組が集英社の編集者とそれぞれタッグを組み、3カ月間超にわたり四つの課題に挑んで優勝を目指す、“バトルロワイヤル”式の漫画賞である。

 視聴者が注目したのは、優勝者に贈られる賞金500万円、米動画配信大手「Netflix(ネットフリックス)」によるアニメ化などの副賞の豪華さの他、視聴者が注目したのは漫画家に伴走する編集者のリアルな仕事ぶりが描かれていたことだ。普段は「黒衣」に徹している編集者をクローズアップする異例の試み。企画にはどのような狙いがあったのか。仕掛け人を直撃した。

漫画家と編集者の衝突もリアルに配信

 「企画の目的はブランディングです。編集者の力を前面に出すことで、集英社や『少年ジャンプ+』の価値や強みを…

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