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バイデン政権2021

第46代米大統領となったバイデン氏。分断された国内や不安定化する国際情勢にどう対応するのでしょうか。

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バイデン氏「私の数字は下がっている」 内憂外患で反転攻勢も難航

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バイデン米大統領=ホワイトハウスで2021年9月22日、AP 拡大
バイデン米大統領=ホワイトハウスで2021年9月22日、AP

 バイデン米大統領の支持率が今月に入って急落し、不支持率が支持率を上回る事態になっている。アフガニスタンからの米軍撤収時の混乱や新型コロナウイルスの感染再拡大に加えて、国境管理問題では与党からも強い批判を浴び、相次ぐ「内憂外患」に頭を痛めている。

 「すべてのことを実行するには1年はかかると言ってきた。就任時に引き継いだ状況も考えてほしい。400万人しか(新型コロナ)ワクチンを接種しておらず、計画もなかった。言い出せばいくらでもある」。バイデン氏は24日の記者団との質疑で「公約が実現していない」との指摘にこう反論し、トランプ前政権に批判の矛先を向けた。

バイデン米大統領の支持率の推移 拡大
バイデン米大統領の支持率の推移

 新型コロナ対応以外でも前政権に責任転嫁する姿勢は顕著だ。米軍のアフガン撤収が拙速だったと非難されると、前政権がイスラム主義組織タリバンと結んだ合意を理由に「大幅な増派か、撤収しか選択肢がなかった」と主張。馬に乗った国境警備当局者が国境付近で移民を追い回す姿が「非人道的だ」と批判されると、「前政権の政策が機能せず、組織が壊れたため、我々が対処している」(ホワイトハウスのサキ報道官)と釈明した。

 しかし、国境問題では新型コロナ対策を理由に不法越境者を国外追放する措置を前政権から引き継いでいることについて、与党・民主党の上院トップのシューマー院内総務が「非人道的な移民の扱いは受け入れられない」と強く批判した。さらに7月以降の新型コロナの感染再拡大、アフガンでの米軍の誤爆、英豪との安保協力を巡るフランスとの摩擦など、前政権に責任転嫁できない問題も次々と浮上している。

 政権の失速ぶりは世論調査でも明らかだ。ギャラップ社の今月1~17日の調査によると、バイデン氏の支持率は前月比6ポイント減の43%で、1月の政権発足以降初めて不支持率(53%)が上回った。ピュー・リサーチ・センターの13~19日の調査でも、支持44%、不支持53%だった。1980年代以降の歴代6政権の同時期と比較すると、トランプ前政権に次いで2番目に低く、半年前からの下落幅(10ポイント)はバイデン政権の方が大きい。新型コロナ対応や経済政策、外交など政策別の支持率も軒並み低下し、バイデン氏も「世論調査を見れば、私の(支持率の)数字は下がっている」と認めざるを得ない状況だ。

バイデン米政権が抱える課題 拡大
バイデン米政権が抱える課題

 苦境に陥ったバイデン氏が反転攻勢の期待をかけるのは、気候変動対策や教育、社会保障の充実を図る計3・5兆ドル(約385兆円)規模の大型歳出法案だ。8月に超党派の支持で上院を通過した1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ投資法案と合わせて、「ポストコロナ」を見据えた経済再生の起爆剤にしたい考えだ。

 ただ、与党の民主党内では、「歳出規模が過剰だ」と懸念する保守派と「規模縮小は受け入れられない」とする左派の調整が難航しており、バイデン氏自らが双方の折衝に乗り出す事態になっている。

 野党の共和党は、上下両院選を含む22年の中間選挙を見据え、債務不履行を回避するための債務上限引き上げや政府機関の閉鎖を避けるための暫定予算案を巡る審議で非協力的な姿勢に固執し、政権への揺さぶりを強めている。【ワシントン秋山信一】

【バイデン政権2021】

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