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都立・公社病院「独法化」でコロナ対応は? 都が議案、撤回要求も

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独立行政法人の運営に移行する見通しの都立広尾病院=東京都渋谷区で 拡大
独立行政法人の運営に移行する見通しの都立広尾病院=東京都渋谷区で

 東京都は都立病院や都保健医療公社病院の運営を来年度に独立行政法人「都立病院機構」に移行するための議案を、28日に始まる都議会第3回定例会に提出する。都は運営主体が変わっても新型コロナウイルス対応に影響はないと説明するが、一部の市民団体からは「公立病院だからこそコロナ対応が可能だ」など独法化の影響を懸念する声も上がっている。【竹内麻子】

 都によると、機構は都が100%出資する。機構の傘下へ移行する予定なのは、都立8病院、都保健医療公社6病院と都がん検診センター。これらは精神や災害医療といった分野を幅広くカバーしており、採算を取るのが難しい。都は2020年度に一般会計から約362億円を都立8病院に繰り入れるなど、財政支援をしている。

 外部有識者でつくる都立病院経営委員会は18年1月、安定的な経営基盤確立などのために「独法化を検討すべきだ」と提言。小池百合子知事は19年12月の都議会で独法化の考えを表明し、都は20年3月に病院運営改革ビジョンを策定して準備を進めてきた。都は独法化で柔軟な人材確保ができ、機動的な運営が可能になると説明する。

 独法化で懸念されているのが、採算性を優先させ緊急時の医療などが縮小しないかということだ。新型コロナ対応では、都立・公社病院は一部を専用病院にしたり、多くの病床を確保したりするなど大きな役割を果たしており、影響を不安視する見方もある。

 医療業界の労働組合など8団体でつくる「人権としての医療・介護東京実行委員会」は17日、独法化中止を求める署名4万3000筆超を都議会議長宛てに提出。21日にも独法化の議案提出の撤回を求める小池氏宛ての抗議声明を出した。

 実行委事務局の窪田光さんは「都立・公社病院が都内のコロナ病床の約3割を担っている。公立病院だからこそ、対応が可能だ」と指摘。「コロナ禍で都立・公社病院が果たした役割を評価して検証すべきだ」と訴えた。

 こうした声に対して、都は独立行政法人の定款に、災害時など緊急事態に知事から要請があれば応じるとする規定を盛り込み、都の権限を保証する考えだ。神奈川などでも独法化された県立病院がコロナに対応しているという。診療報酬だけで採算が取れない医療には今後も一般会計から繰り入れを続ける。

 小池知事は24日の定例記者会見で独法化の影響について問われ、「感染症医療をはじめとする行政的医療の提供など、都立・公社病院が果たす役割は大変大きい。それを独法化後も変えることはないし、確実に提供していく」と語った。

独法化される見通しの病院など

 ▽都立病院

・広尾病院(渋谷区)

・大塚病院(豊島区)

・駒込病院(文京区)

・墨東病院(墨田区)

・多摩総合医療センター(府中市)

・神経病院(同)

・小児総合医療センター(同)

・松沢病院(世田谷区)

 ▽都保健医療公社病院など

・東部地域病院(葛飾区)

・多摩南部地域病院(多摩市)

・大久保病院(新宿区)

・多摩北部医療センター(東村山市)

・荏原病院(大田区)

・豊島病院(板橋区)

・都がん検診センター(府中市)

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