文春と新潮の中づり広告廃止 編集長が語る構造改革と時代の変化

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「週刊文春」編集部の入るフロアの壁には中づり広告が張られていた=東京都千代田区紀尾井町の文芸春秋社で2021年9月10日午後5時54分、竹内良和撮影
「週刊文春」編集部の入るフロアの壁には中づり広告が張られていた=東京都千代田区紀尾井町の文芸春秋社で2021年9月10日午後5時54分、竹内良和撮影

 週刊誌で電車の中づり広告を廃止する動きが広がっている。8月には週刊文春(文芸春秋社)が終了したのに続き、週刊新潮(新潮社)も9月で終える予定だ。派手な見出しで通勤客の関心を引き、購読を拡大する週刊誌の販売戦略は過去のものになりつつある。【青島顕、竹内良和】

 週刊文春、週刊新潮とともに販売部数で上位を占めてきた週刊ポスト(小学館)は2015年、週刊現代(講談社)は17年に中づり広告を廃止している。これで「4大週刊誌」のすべての中づり広告が電車から姿を消すことになる。

 多くの出版社が電車の中づり広告をやめる主な理由として、電車内でスマートフォンを見る人が増え、中づり広告を眺める人が減ったことを挙げる。週刊誌の購読層が高齢化し、退職して通勤に電車を使わなくなった購読者も増えているとみられる。こうしたことから、中づり広告が売り上げに直結せず、費用に見合った効果が見込めなくなっているという。

 鉄道で週刊誌の中づり広告が目立ち始めたのは出版社系の週刊誌の創刊が相次いだ1950年代後半以降とみられる。大正期に創刊した新聞社系の週刊誌「サンデー毎日」や「週刊朝日」が独自の販売網を持っていたのに対抗し、後発の出版社系は駅ホームの売店などに販路を求めて購読を拡大した。やがて中づりで見出しに興味を持ってもらい、駅売店で買ってもらうという流れが定着。各週刊誌は興味を引く見出しを競った。駅売店で数十誌の週刊誌が並ぶ光景も見られたという。

 中づり広告の廃止を、週刊誌の発行に携わる人たちはどう考えているのか。

 週刊新潮の宮本太一編集長(55)は「記事のエッセンスが見る人の心に届くよう、中づりの見出しには工夫を凝らす努力をしてきた。…

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