白鵬引退で考えた 大相撲の継承に国籍は必要か?

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史上最多の45回の優勝を誇る白鵬(右)。優勝パレードはいつも相撲ファンらによる人だかりができた=福岡国際センターで2019年11月24日、須賀川理撮影
史上最多の45回の優勝を誇る白鵬(右)。優勝パレードはいつも相撲ファンらによる人だかりができた=福岡国際センターで2019年11月24日、須賀川理撮影

 大相撲の横綱・白鵬が現役引退を決意した。親方として日本相撲協会に残る意向だ。外国出身力士が土俵を沸かせるようになって久しいが、親方として後進を指導するには日本国籍の取得という大きな決断が求められ、白鵬も2019年9月に取得した。多様性がうたわれる日本のスポーツ界において、果たして伝統文化の継承に「国籍」は必要なのだろうか。日本相撲協会が設置した有識者会議の提言書を基に考えた。

親方に求められる「入日本化」とは

 日本相撲協会の諮問機関「大相撲の継承発展を考える有識者会議」(委員長=山内昌之・東大名誉教授)が21年4月、2年近くに及ぶ議論を経て提言書をまとめた。そこには、日本国籍が必要な理由としてこう記されている。

 「(親方は)弟子の『入日本化』(日本の大相撲の伝統と慣習の受け入れ)を部屋での共同生活と土俵の勝負・稽古(けいこ)を通して指導する立場にある」

 「年寄名跡の襲名は日本国籍を有する者に限る」という相撲協会の規定ができたのは1976年。米ハワイ出身の高見山(元関脇、日本名・渡辺大五郎)が外国出身者として初めて幕内優勝した4年後のことだ。元高見山の渡辺さんは80年に日本国籍を取得し、84年の引退後は東関親方として横綱・曙らを育てた。

 有識者会議に呼ばれた渡辺さんは「日本の文化的なことも含めて、歴史も生活も全部勉強した上で親方になりたかった。弟子にアメリカ人も日本人も関係ない。我慢と忍耐、義理と人情、相撲社会の伝統と良さを伝えることが僕の恩返しだ」と話したという。

外国出身親方の苦悩「認められるまで大変」

 現在42ある相撲部屋のうち、5部屋で外国出身の親方が師匠を務める。その一人である元大関・琴欧洲の鳴戸親方は国籍を変更した当時の心境について、こう語っている。…

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