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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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総裁選党員票、女性が名前を勝手に使われた その一部始終

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女性は9月17日、自民党総裁選の投票用紙を受け取った。自民党員になった記憶はなく、戸惑いを隠せない=女性提供(画像の一部を加工しています)
女性は9月17日、自民党総裁選の投票用紙を受け取った。自民党員になった記憶はなく、戸惑いを隠せない=女性提供(画像の一部を加工しています)

 「自分の情報がどうして」。大阪府在住の女性に、見慣れない往復はがきが届いた。29日投開票の自民党総裁選の投票用紙だ。女性は党員になった記憶は全くないが、自民党に問い合わせると「2020年12月に党員に登録されています」と後に連絡があった。総裁選の候補者が党員票の獲得に躍起になる中、足元では何が起きていたのか。【木許はるみ/デジタル報道センター】

 女性が自宅のポストで往復はがきを見つけたのは、総裁選が告示された17日夜だ。差出人は自民党大阪府連。返信用のはがきに「総裁選挙投票用紙」と書かれていた。「自分の個人情報が使われてて気持ち悪い。何か知っている人がいたら教えてほしい」。女性は自身のツイッターアカウントに次のように書き込んだ。

 <え?私…自民党員なん?総裁選挙投票用紙届いたけど全く身に覚えがないんだけど。どうなってるんやろ?>

 すると、「私も名前を使われて自民党員にさせられた」「親父(おやじ)が勝手に党員登録してた」など、自分の意に反して党員になっていたという書き込みが相次いだ。心当たりがないのに投票用紙が届いた、との投稿もあった。「私だけじゃないんだ」。女性はスマホを片手に目を丸くした。

 3連休が明けた21日、党大阪府連に問い合わせ、往復はがきに書いてある党員番号を伝えた。すると数時間後、党東京都連から女性の携帯電話に着信が入った。都連に所属する片山さつき参院議員の事務所を通じて党員登録されていると説明があり、「それ以上のことはわからない」という。

 「おかしいな、でもこれ以上調べようがないし……」。女性が困惑していると、知らない番号から電話があり、片山氏の関係団体を名乗る人物から「20年12月に党費を払って党員になっています」と告げられ、入党を紹介した団体と関係者の個人名を教えてもらった。

 初めて聞く名前だったが、インターネットで検索すると、確かにその関係者は片山氏の後援会の幹部をしていた。不可解な状況に驚き、女性は実家に暮らす家族に無料通話アプリ「LINE」で連絡した。「うちにも届いているよ」。父親にも党員の投票用紙が届いていた。父親には思い当たる節があるという。自筆で「18.8」とメモした、この関係者の名刺を持っていたのだ。

「後援会に寄付しただけ」なのに

 父親は毎日新聞の電話取材に、経緯を以下のように説明した。

 18年8…

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【2021自民党総裁選】

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