宣言「全面解除」、制限緩和への期待 政府の描く道筋と現実の隔たり
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今回の緊急事態宣言の解除決定を踏まえ、政府は段階的に経済活動を再開することで「感染対策と日常生活の両立」を目指す立場を鮮明にした。実現に向け切り札となるのが、ワクチンの接種済み証明書と検査の陰性証明だが、その活用には課題もある。
「ワクチンパッケージ」課題山積
「今後、医療体制の強化とワクチン接種をさらに進めながら、日常生活を段階的に回復させることが重要だ」。28日の衆院議院運営委員会で、菅義偉首相は、新型コロナウイルス対策でこれまで制約を受けていた個人の行動や経済活動の再開に意欲を示した。
政府の考える道筋はこうだ。今後1カ月程度の経過措置を設け、営業時間の短縮の要請などを継続する。
その後、希望する国民へのワクチン接種を終えた11月ごろ、「ワクチン・検査パッケージ」の活用を始める。なるべく制約の少ない日常生活へと移行するために、ワクチンの接種証明書か検査の陰性証明を示した人を「感染の可能性が低い」とみなす仕組みだ。政府が28日に示した方針では、仮に感染が再拡大して緊急事態宣言が発令される状況でもこれを活用して経済活動を続ける。飲食店に酒の提供や午後9時までの営業、5人以上の会食を認めるほか、コンサートで会場定員100%の収容を可能にし、都道府県をまたぐ移動の自粛を求めないといった方向で検討する。
本格的な緩和に先立ち、政府は10月に実証実験を行う。対象は、飲食店▽コンサートホール▽プロ野球など大型イベント――だ。国は28日にオンラインで自治体向けに説明会を開催。参加者によると、事業者には飲食店の営業時間や収容者数の制限を緩和するなどのメリットを与えることを検討しているという。
しかし、課題も多い。事業者が店や会場で客のワクチン接…
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