特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

緊急事態解除、スポーツ界から歓迎の声 制限緩和の仕組み急務

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
無観客の中、土俵上をまわる新型コロナウイルス感染予防を啓発する幕=東京・両国国技館で2021年5月9日、宮間俊樹撮影 拡大
無観客の中、土俵上をまわる新型コロナウイルス感染予防を啓発する幕=東京・両国国技館で2021年5月9日、宮間俊樹撮影

 約半年ぶりに新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の全面解除が決まり、スポーツ界からは歓迎の声が上がった。プロスポーツでは、ポストシーズンやリーグ終盤に向けて観客制限を緩和する仕組みづくりが急務となる。一方、昨冬は高校生の全国大会などで集団感染が起きたこともあり、リバウンド(感染再拡大)による「第6波」を懸念する声も根強い。

プロ野球、制限緩和の実証実験へ

 プロ野球は早ければ10月にも、新型コロナウイルスのワクチン接種証明や陰性証明などを使い、観客制限の緩和に向けた「実証実験」に踏み切る。11月のポストシーズンや来季のさらなる観客増に向けて関係者の期待は高い。ある球団の幹部は「安全だと確認できれば、来年から制限無しでスタートできるかもしれない」と語った。

 日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は28日、報道陣に「各球団が自治体と協議し、計画を取りまとめていく」と説明した。宣言中、5000人だった大規模イベントの観客数の上限は1カ月を経過措置として「収容定員の50%以内、または最大1万人」。宣言発令前に発売されたチケットが有効なため、既に1万人を超える観客を収容する球場もあるが、コロナ禍で入場料収入は大きく落ち込む。このため、多くの関係者は上限緩和を「前進」と受け止める。

 プロ野球は昨季、最新機器を用いた「実証実験」では、8割を超える高い観客収容率で開催を実施。地元自治体と調整を始めた球団関係者は「誰かが一歩を踏み出さないと前には進まない」と新たな取り組みの意義を強調した。【細谷拓海】

大相撲、解除後も感染対策緩めず

 大相撲は九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)の開催に向けて準備を進めており、宣言解除後も感染対策を緩和しない方針だ。九州場所の収容人数はチケットの先行抽選の申し込みが始まっていることもあり、7月に発表した上限3700人を維持する。

 酒類の提供は都道府県知事の判断で解禁されるが、九州場所では会場内での飲酒は引き続き禁止とする。飲食は座席では不可で、決められたスペースに限り許される。日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「飲食はまだまだ」と語った。

 角界では2020年5月に新型コロナに感染した三段目力士が死亡。重症化のリスクが高いとされる糖尿病を患う力士も少なくない。芝田山部長は「我々の社会を守るためには制限をかけなければいけない」と話した。【村社拓信】

Jリーグ、接種証明を活用、観客制限緩和

 サッカーのJリーグは28日、オンラインによる理事会を開き、10月のリーグ戦からワクチンの接種証明などを使い、観客制限を緩和する方針を決めた。村井満チェアマンは「大きなチャレンジになるが、クラブ経営にとっては明るい兆しになる」と述べ、宣言解除を歓迎した。

 Jリーグは今後、2回のワクチン接種済みか検査で陰性の場合には感染リスクを低いとみなす「ワクチン・検査パッケージ」を活用。陰性証明の確認方法など具体的な準備作業を進める。マスク着用など従来の感染対策を維持しながら、合意したクラブから順次実施する。

 ただし課題も残る。首都圏のあるクラブ担当者は「証明書を持参した観客とそうでない観客の動線をどのように確保するか。(スタジアム内でも)座席間隔をどのようにして空けるかなど緩和による感染対策との両立は簡単ではない」と漏らした。【村上正、尾形有菜】

中高・大学の冬季競技「第6波」警戒

 中高生の部活や大学スポーツは合宿や遠征のほか、一部地域で練習にも制限が課されてきた。宣言地域の福岡県内のある県立高のレスリング部顧問は「夏の大会以降、部活動そのものができなかった。活動を再開できれば、体作りから始めたい」と歓迎した。

 しかし、これから本格的なシーズンを迎える冬季競技や駅伝のほか、ラグビー、サッカー、バレーボールなど多くの競技で年末年始に全国大会が集中する。スピードスケートのある大学指導者は中止となった昨冬の日本学生氷上選手権を振り返りながら「第6波が来ないことを祈るばかり。現場にできることは感染対策の気を緩めないことだけ」と警戒感を口にした。【小林悠太、岩壁峻】

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集