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日本文化をハザマで考える

日本文学研究家のダミアン・フラナガンさんが、日英の「ハザマ」で日本文化について考えます。

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第40回 日本語には性別がない?

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夏目漱石
夏目漱石

 最近、偶然見たツイートに、日本語には19世紀末まで「彼」と「彼女」の区別がなかった、とあった。19世紀の末になって、ヨーロッパの言語から「She」という言葉を翻訳しなければならなくなり、「彼女」という言葉が作られた、というのだ。それ以前は、性別に関係なく、「かれ」という言葉が使われていたらしい。

 西洋社会は近年、性別に関する代名詞の使い方にこだわりすぎているが、それが日本にも波及してきたようだ。思った通り、このツイートは何回もリツイートされ、いかにヨーロッパ人が日本人に性別のある代名詞を使うように強要していたかショックを受けたというコメントが多かった。

 このツイートはいささか誤解を招くかもしれないが、確かに異なる言語が性別をどう扱っているかという面白い論点を浮かび上がらせる。それは日本人が19世紀末まで性を区別しなかったということよりも、性の区別の仕方がこれまでにどうやって変化してきたか、ということだ。

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