- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
(京都国立近代美術館10月31日まで)
本展が絵画の歴史を検証する企画であることは間違いないのだが、同時にそれは思い出の写真を集めるために旅をする私たちだからこそ、案外身近に感じられるかもしれない。会期中にSNS(ネット交流サービス)を利用したオンラインでのギャラリートークが実施され、図録に掲載された論考では佐賀県を舞台にしたアニメに言及しているのも、100年以上も前にこの国の風景を眺めた人々と現代の私たちを結び付けようとする企画者の思いの表れではないだろうか。
日本における洋画の先駆者たる田村宗立(そうりゅう)や川村清雄の大作、現存する作品が稀少(きしょう)なことで知られる小山正太郎とその弟子の中川八郎の代表作が並ぶ序章は、それだけでも足を運ぶ価値がありそうだが、展覧会の主役はそれに続いて3章にわたり紹介される風景画群だ。作品の3分の1は外国人の手になるもので、大半は水彩画である。ジョルジュ・ビゴーやチャールズ・ワーグマンといった美術史上の有名人や、日…
この記事は有料記事です。
残り555文字(全文989文字)