「ゴルゴ13」遺志継ぎ継続 さいとう・たかをさん「自分抜きでも」

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等身大のゴルゴ13と並ぶさいとう・たかをさん=山口県下関市の市立美術館で、2019年2月1日、上村里花撮影 拡大
等身大のゴルゴ13と並ぶさいとう・たかをさん=山口県下関市の市立美術館で、2019年2月1日、上村里花撮影

 「ゴルゴ13」などで知られる漫画家のさいとう・たかを(本名・斉藤隆夫=さいとう・たかお)さんが24日、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。84歳。葬儀は近親者で営んだ。

 和歌山県生まれ。中学生の頃から映画に熱中し、進駐軍が持ち込んだ米国の漫画誌などの影響も受け、ストーリー漫画家を志す。家業の理容店を継ぎながら、1955年、大阪の貸本漫画出版社「日の丸文庫」から「空気男爵」でデビュー。59年、辰巳ヨシヒロさんらと「劇画工房」を結成し、リアルでシリアスな「劇画」のジャンルを切り開いた。同工房の解散を受け、60年に自身の「さいとう・プロダクション」を設立。原作、作画などを分業するシステムで制作を進めた。

 68年からは、狙った標的は決して逃がさない国籍不明の超A級スナイパー、デューク東郷が活躍する「ゴルゴ13」を「ビッグコミック」で連載開始。現在進行中の世界情勢をストーリーに盛り込み、幅広い層から人気を集めた。半世紀以上にわたる長期連載を誇り、2021年、単行本の201巻が発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定。今月には202巻も発売された。小学館によると、連載は今後も継続する予定という。

さいとう・たかをさんの劇画「ゴルゴ13」単行本最新刊(第202巻)の表紙=リイド社刊 拡大
さいとう・たかをさんの劇画「ゴルゴ13」単行本最新刊(第202巻)の表紙=リイド社刊

 また、同作は高倉健さんや千葉真一さんの主演で、実写映画化もされた。「理容店に一番置かれている漫画」であることが評価され、全国理容生活衛生同業組合連合会が主催する「第1回理容チョキちゃん大賞」を受賞した。

 他の代表作に「無用ノ介」や「バロム・1」、「鬼平犯科帳」(池波正太郎原作)など。原作と作画の分業システムで制作した漫画を対象に、次代の制作者たちに光を当てる「さいとう・たかを賞」を創設した。

 03年に紫綬褒章、10年に旭日小綬章。

「物語は続く」小学館がメッセージ

小学館ビッグコミック編集部が「………だが、物語は続く。」と題して公表した「ゴルゴ13」連載継続のメッセージ=編集部ホームページから 拡大
小学館ビッグコミック編集部が「………だが、物語は続く。」と題して公表した「ゴルゴ13」連載継続のメッセージ=編集部ホームページから

 さいとう・たかをさんが「ゴルゴ13」を連載してきた小学館ビッグコミック編集部は29日、訃報とともに「………だが、物語は続く。」というメッセージをツイッター上などで公表した。「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」とのさいとうさんの遺志を継ぎ、今後も連載を続けることを宣言している。

 メッセージを「ゴルゴ13」の主人公のデューク東郷のイラストとともに掲載。同編集部によると、さいとうさんは早くから分業での制作システム構築に注力。脚本協力、作画など各分野を専門家が分業し、長期連載する体制を築いてきたという。

 さいとうさんの生前からの希望を受け、今後はプロダクションと編集部などが協力し、連載を継続していく。編集部の広報担当者は「今後もぜひファンの方に読んでいただき、応援してほしい」と話す。

 メッセージを受け、ツイッターには「ゴルゴは不死身!」「死後もなお作品を生かす姿……カッコよすぎる」などのコメントが相次いで寄せられた。【稲垣衆史】

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