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「僕らは井の中の蛙」 慶応大ラグビー部に響く変革の足音

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関東大学対抗戦の日体大戦でトライを決める慶大のイサコ・エノサ(中央手前)=神奈川県藤沢市の秋葉台公園球技場で2021年9月18日午後3時49分、尾形有菜撮影
関東大学対抗戦の日体大戦でトライを決める慶大のイサコ・エノサ(中央手前)=神奈川県藤沢市の秋葉台公園球技場で2021年9月18日午後3時49分、尾形有菜撮影

 どんよりとした曇り空にも黒と黄のタイガージャージーは映えた。慶大ラグビー部が9月18日、関東大学対抗戦の今季初戦で挙げた白星は、同部初の留学生となったニュージーランド出身の3年生2人が勝利の原動力になった。「慶応は日本で初めて大学ラグビーを始めたのに、日本で一番古いラグビーになっている」――。変革の始まりは3年前、同部OB幹部の会合で飛び出した発言だ。

 「マップス、ジョイン!」。秋葉台公園球技場(神奈川県藤沢市)での日体大戦の序盤、慶大ベンチから声が飛んだ。マップスの愛称を持つ193センチ、107キロのアイザイア・マプスア(20)がモールに加勢すると、一気に押し込む。そこから味方が飛び出して先制トライを決めた。後半開始早々にはアイスの愛称で呼ばれるイサコ・エノサ(21)が突破力を生かしたトライで追加点。主力に成長した2人は43―5の勝利に貢献した。

「福沢先生は何て言うでしょうか」

 慶大ラグビー部は1899年に日本初のラグビーチームとして誕生した。伝統の低く鋭いタックルを武器に全国大学選手権では優勝3回を数える。だが、1999年度を最後に頂点から遠ざかり、その後は2007年度に決勝に進んだのみと近年は苦しい戦いが続く。創部120年を前にした18年、OB会幹部が集まった会合で、次期監督への打診を受けていた栗原徹さん(43)は胸に秘めた思いを口にした。

 「福沢先生は新しいことをしてきましたよね。だから150年たった今でも慶応は日本を代表する大学の一つでいられる。でも今の慶応は全然攻めていない。福沢先生がこういう状況を見たら、何て言うでしょうか。…

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