ミサイル挑発と対話提案 北朝鮮、韓国と日米の引き離し狙いか

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北朝鮮が28日、慈江道都陽里で行った極超音速ミサイルの発射実験=朝鮮中央通信・朝鮮通信
北朝鮮が28日、慈江道都陽里で行った極超音速ミサイルの発射実験=朝鮮中央通信・朝鮮通信

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は9月29日、国会にあたる最高人民会議で施政演説し、遮断中の韓国との間の通信回線を10月初めから復旧させると表明した。朝鮮中央通信が30日報じた。北朝鮮は新型とみられるミサイルを相次いで発射する中で、韓国に向けては対話姿勢を鮮明にした形だ。挑発と対話の硬軟織り交ぜた北朝鮮の攻勢からは、日米韓の連携から韓国を引き離す狙いもうかがえる。

対米外交ラインに変化の兆し

 「北南関係が一日も早く回復し、朝鮮半島に強固な平和が宿ることを願う全民族の期待と念願を実現するための努力の一環だ」。金総書記は演説で、韓国との通信回線復旧に踏み切った理由をこう説明した。そのうえで、韓国の米韓軍事演習参加や軍事力増強を念頭に、「北朝鮮の挑発を抑制しなければいけないという妄想と危機意識、被害意識から早く脱すべきだ」と韓国に呼びかけた。

 通信回線は定時連絡だけでなく、南北間の偶発的な軍事衝突時や首脳会談準備で使う対話インフラ(社会基盤)の象徴だ。金総書記はこの復旧に直接言及して韓国民の民族意識をくすぐり、対米従属路線からの脱却を促したと言える。

 北朝鮮による米国の同盟国切り崩し攻勢に対し、日米韓3カ国で北朝鮮を担当する高官は電話協議を実施。日本政府によると、船越健裕・外務省アジア大洋州局長▽米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表▽韓国の魯圭悳(ノギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長は、最近活発化している北朝鮮の核・ミサイル開発に対する懸念を共有した。さらに加藤勝信官房長官は30日の記者会見で、北朝鮮が28日に発射したと主張する新型の極超音速ミサイルについて「国連安保理決議に違反する弾道ミサイルの技術を使用した」と断定し「極めて遺憾」と非難した。

 北朝鮮の最高人民会議では、対米外交ラインに変化の兆しも見える。重要課題を決定する国務委員会の委員に、金総書記の妹の金与正(キムヨジョン)党副部長を選出。一方、…

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