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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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「麻生派政権のような」岸田新総裁の人事 安倍氏周辺で渦巻く不満

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自民党新執行部の記者会見に臨む甘利明幹事長(左から2人目)。左端は高市早苗政調会長、左から3人目は福田達夫総務会長、右端は遠藤利明選対委員長=東京都千代田区の党本部で2021年10月1日午後2時45分、長谷川直亮撮影
自民党新執行部の記者会見に臨む甘利明幹事長(左から2人目)。左端は高市早苗政調会長、左から3人目は福田達夫総務会長、右端は遠藤利明選対委員長=東京都千代田区の党本部で2021年10月1日午後2時45分、長谷川直亮撮影

 自民党の岸田文雄総裁は1日、新執行部を発足させた。間近に迫る次期衆院選に向け、安倍晋三前首相と麻生太郎副総理兼財務相に配慮し、細田、麻生両派を優遇し安定を優先した布陣だが、人事では甘利明幹事長の意向が色濃く映り、党内では早くも不満がくすぶる。野党は金銭授受問題で2016年に甘利氏が経済再生担当相を辞任したことなど「政治とカネ」の問題を追及する構え。不安を抱えた船出となった。

「萩生田官房長官」が消えた背景

 「党の一体感、さらには衆院選に臨もうという強い思いを感じていただける人事を進めたい」。岸田氏は1日、記者団に対してこう強調した。

 新執行部では、幹事長に甘利氏を抜てき。麻生氏を副総裁に置き、広報本部長に河野太郎行政改革担当相を据えた。今後の党運営は甘利、麻生両氏が主導する形だ。一方で総裁選の決選投票で共闘した細田派出身の高市早苗前総務相=無派閥=を政調会長、福田達夫国対副委員長を総務会長、高木毅衆院議院運営委員長を国対委員長に充て、安倍氏が影響力を持つ細田派から積極起用した。形の上では、甘利、麻生、安倍の「3A」重視の布陣だ。

 記者団から「安倍、麻生両氏への配慮ではないか」と問われた岸田氏は「適材適所だ」と否定してみせた。

 今回の人事で特に際立ったのは甘利氏の動きだ。甘利氏は1日、「私の役目は岸田総裁の考えを党全体で共有し、実現に向けて進めていくことだ」と強調したが、人事案の策定は甘利氏が主導した。岸田氏にとって、甘利氏は河野氏が所属する麻生派所属ながら総裁選で岸田氏を全面支援した「功労者」。総裁選の期間中から幹事長への起用を決めており、岸田氏は甘利氏の抜てきは「迷いはなかった」と言い切った。総裁選で選対本部長を務めた遠藤利明元五輪担当相を選対委員長で重用したことも併せ、「論功行賞人事」の色合いが強い。

 新内閣では、麻生氏の義弟・鈴木俊一元総務会長を麻生氏の後任の財務相に充て、麻生派所属で甘利氏側近として知られる山際大志郎政調会長代理も入閣する見通しだ。岸田派からの登用を控え、甘利、麻生両氏を厚遇する姿に、党内で「まるで麻生派政権のような人事」との声が上がる…

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【2021自民党総裁選】

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