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第4回全国高校eスポーツ選手権

スポーツを楽しむ高校生を応援し、文化として発展させていくことをテーマに開催される「全国高校eスポーツ選手権」の特集ページです。

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全国高校eスポーツ選手権 現役プロが語った、あの舞台で得たもの

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全国高校eスポーツ選手権

 第4回全国高校eスポーツ選手権(毎日新聞社など主催)は10月23日、5対5の陣取りゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」部門の予選をスタートする。過去3回の選手権出場を弾みにし、卒業後、LoLのプロチームに所属するOB・OGに、出場当時の思い出を語ってもらった。【聞き手・杉本修作】

 オンラインで行った対談には3人が参加。第1回選手権に東京学芸大附国際高のチームの一員として出場し、優勝を飾った後閑敬斗(バーニングコア所属、サモナーネーム・フロー)=20歳=や岡山県共生高で、同選手権で準優勝した佐倉涼太(同所属、サモナーネーム・赤バフ)=20歳=の男性2人に加え、N高で第2、3回選手権を続けて制した大友美有(ラスカルジェスター所属、サモナーネーム・シェイクスピア)=19歳=だ。

第2、3回選手権LoL部門で、2連覇を果たし、現在、プロチームに所属する大友美有=東京都渋谷区で2021年6月18日、宮本明登撮影 拡大
第2、3回選手権LoL部門で、2連覇を果たし、現在、プロチームに所属する大友美有=東京都渋谷区で2021年6月18日、宮本明登撮影

 大友「佐倉選手たちが出場していた第1回選手権をテレビで見て大会のことを知りました。元々、全日制の高校に通っていたんですが、高校で出場選手5人を集めることができなかったため、通信制のN高に転校しました。第2回選手権に出場しましたが、(観客を入れた)オフライン大会はこの時が初めて。決勝大会ではたくさんの観客がいて、相手も強豪校で不安も大きくて……。試合が始まる直前もずっと手が震えていたのを覚えています」

 佐倉「後閑君のチームとは第1回選手権の決勝で対戦しました。後閑君とは大会が始まる前から仲良くしていて、『決勝で会おう』みたいな話もしていました。私にとって好敵手ってイメージでしたね。ライバルであり友である。レーン(ポジション)が違うので、どちらがうまい、下手という感覚はないんですけど、後閑君のチームには絶対負けたくないという思いはありました」

 後閑「第1回の時、(準決勝で敗れた)『N高心斎橋』が一番強いんじゃないかといううわさがあって、自分の高校や佐倉くんの高校もN高に比べれば注目されてなかった。だから、余計に佐倉君と決勝で対戦したかったですね。ただ、正直、準決勝で佐倉君のチームがN高を破って決勝に上がってきたのには驚きました」

 佐倉「決勝大会では、相手チームと同じホテルに泊まったんですけど、始まる前はみんな意識し合っていました。でも、終わると仲良くなって、一緒にお風呂とか入ったりもしましたね。お互いにやりきった感じはあったので。その後、めちゃめちゃ仲良くなった人もいました」

 後閑「当時の実況がカツディオンさんで、LoLをやってる人なら誰でも知っているであろうという人です。その方に実況してもらったのはうれしかったですね。カツディオンさんは情熱的な実況で有名なんですが、決勝で自分たちのプレーにも情熱的な実況をしてくれたのが印象に残っています」

LoLのプロチームに所属する佐倉涼太は第1回選手権で準優勝の好成績を収めた=プロチーム「バーニングコア」提供 拡大
LoLのプロチームに所属する佐倉涼太は第1回選手権で準優勝の好成績を収めた=プロチーム「バーニングコア」提供

 佐倉「僕は、辛口コメントで有名なアナリストのレボルさんから、ミスプレーした時に厳しいコメントを言われ、逆にうれしかった記憶がありますね」

 それぞれ、決勝の舞台を経験した3人。大会から得られたものとは何か。

 大友「第2回のタイミングは、初めての大きな大会だったので、優勝できるか、わからないという不安が大きかった。第3回は他の大きな大会に出場して慣れてきたところだったので、勝つしかないという前向きな気持ちでした。

 転校した後、修学旅行も文化祭もなくて、『普通の学校に通っていた方が良かったんじゃないかな』と思った時期もありました。でも、チームのメンバーと勝つために時間を費やし、一生懸命やったことって思い出に残ります。学校を変えるくらいの行動をしてみて、今は良かったなって思っています」

 佐倉「決勝は負けたけど、楽しかった。ただ、もう1回やりたいかと言われれば、あまりやりたくないです。準決勝でN高という強敵を倒した後、後閑君のチームに1勝した後、2敗して逆転負けしてしまいましたが、そこまでやったので、悔いはなかった。決勝で戦う楽しさ、チームで戦う難しさ。両方ともこれまでの経験になかった。卒業後、プロとしてやっていきたいと思った大きなターニングポイントになりました」

第1回選手権で優勝を飾り、現在、LoLのプロチームでプレーする後閑敬斗=プロチーム「バーニングコア」提供 拡大
第1回選手権で優勝を飾り、現在、LoLのプロチームでプレーする後閑敬斗=プロチーム「バーニングコア」提供

 後閑「第1回の決勝大会の会場が幕張メッセで、こんな舞台に立てる高校生はなかなかいません。多くの観客に見られながら、配信もあって。自分のプレーを思う存分発揮できたのは、1人の高校生として誇るべきことだと思っています。翌年の選手権はメンバーを集められず、出場できなかったので、会場に応援に行きました。大友さんのいるN高の評判が第1回よりさらに高かった。それと新しいチームがチラホラあった。参加する高校も増えていましたね」

 大友「一生懸命取り組むことって自信や思い出になります。第4回選手権では、N高以外は『打倒・N高』で、がんばってもらいたいと思います。逆に後輩たちには1位を守ってもらいたい。それと、コロナ禍の中で難しい面はありますが、早くオフラインの大会に戻ってもらいたいなと思います。そうなったら応援に行きたいです」

 後閑「オフライン会場でのプレーというのは自分にとって楽しくていい経験になったので、コロナが収まったら、オフライン大会を開催してほしいなって思います。

高校生向けの全国大会は選手権が初めてです。今後、日本では知名度が低くても海外で人気のあるタイトルを採用して大きな大会にしてもらいたいです」

 佐倉「LoLの大会は全国的にまだまだ少ないのが現状です。日本国内ではあまり知られていません。そんななか、選手権の開催で、ポスターが張られたりもして、認知度が高まる要因になります。このままLoL部門を続けていただいて盛り上げていってもらいたいと思います」

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