子どもたちのため「反戦」訴え ノンフィクション作家・澤地久枝さん

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書斎の天窓から陽光が注ぐ。澤地久枝さんは「死がいつ訪れても怖くない」と話す=東京都内で2021年9月、吉田航太撮影
書斎の天窓から陽光が注ぐ。澤地久枝さんは「死がいつ訪れても怖くない」と話す=東京都内で2021年9月、吉田航太撮影

 自宅で昨年5月に転倒して腰の骨を折って以来、つえを手放せない生活が続く。「反戦」を軸に数々のノンフィクションを書いてきた澤地久枝さんは9月3日で91歳になった。「コルセットで腰を固定していますが、これがなければ痛くて椅子にも座れない。だけど、ご飯の支度も自分でできるから大丈夫」

 戦争を生き抜いた人が次々とこの世から去っていく中、自らなすべきことを貫いている。

 今年4月には沖縄を訪れた。アフガニスタンで2019年に銃撃され、死亡した非政府組織(NGO)ペシャワール会の現地代表で医師の中村哲さん(享年73)をしのぶ会に参加するためだった。澤地さんには、中村さんへのインタビューで構成した共著「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」がある。

 この会で澤地さんは、人道支援に取り組んできた中村さんが、自衛隊の海外派遣は現地の人々の信頼を損ねるとして「有害無益」と断じたことを紹介。そして「中村さんのことを忘れず、自分に何ができるかを考えたい」と語った。

 自分でできること。その一つに、毎月3日に、東京・永田町の国会議事堂正門前の歩道で続けている抗議活動がある。集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制を成立させた安倍晋三政権や、路線を継承した菅義偉政権に「NO」を突き付けるためだ。

 原動力の背景には、…

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