中国の日本街「小京都」 「侵略」か「経済振興」か 揺れる議論

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警備されつつ工事が進む大連郊外の開発プロジェクト「盛唐・小京都」=2021年9月、米村耕一撮影
警備されつつ工事が進む大連郊外の開発プロジェクト「盛唐・小京都」=2021年9月、米村耕一撮影

 中国東北部・遼寧省大連市郊外に京都の街並みを再現する開発プロジェクト「盛唐・小京都」の是非をめぐり、中国内で議論が続いている。8月下旬にオープンした際には大盛況だったが、インターネット上で「なぜ日本街をつくるのか? 侵略の歴史を忘れたのか」と批判が殺到すると、一時閉鎖に追い込まれた。ただ、地元振興の起爆剤として地方政府も期待する案件だけに、経済振興かナショナリズムか、中国内の議論も揺れる。結局、名称から「京都」を取るなど、日本色を薄めて10月上旬に再オープンする方向だ。

 「盛唐・小京都」は、大連市中心部から約30キロ離れた海岸沿いの金石灘国定観光リゾート区に約1000戸の日本風住宅と商店街、温泉などを組み合わせ、約60億元(約1000億円)を投じるプロジェクト。約50万平方メートルの広大な土地に中国の不動産開発企業が中心となり、日本企業の協力も得て建設を進めている。

 大半の建築物の外観は日本風だが、京都は中国の唐時代の文化の影響を強く受けたとの解釈から、名称に「唐全盛期」を意味する「盛唐」をつけた。開発側も、中国内での批判を懸念してこうした言葉を使ったとみられるが、それでも8月下旬にオープンすると、この時期が満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年9月18日)から90年の節目と近かったこともあり、SNSでは非難の声が出た。

 ただ、「な…

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