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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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拝啓 菅義偉様 退陣の日に 市井の声聞き、再出発を

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新型コロナウイルスの緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の全面解除について記者会見する菅義偉首相。事実上最後の会見となった=首相官邸で9月28日(代表撮影)
新型コロナウイルスの緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の全面解除について記者会見する菅義偉首相。事実上最後の会見となった=首相官邸で9月28日(代表撮影)

 4日に菅義偉内閣は総辞職した。国会で首相指名が行われ、新内閣が発足する。2020年秋の就任時、「安倍晋三政権の継承」を訴えた菅さんに、私は本欄で「あなたの国家像、いつ聞けますか」と問いかけたが、その答えは聞けなかった。菅内閣とは何だったのか。元長官番記者の私は最後の手紙を書くことにした。

 2021年10月4日 元番記者・鈴木美穂

「木綿の手触り」が道 初心に帰ってください

 突然のことに驚きました。続投に向け、強気の構えを見せた菅さんが自民党総裁選に出ないという。すぐに世の関心は総裁選、そして、新首相誕生にと移っていきました。安倍政権を含め9年間、通い続けた官邸を離れる菅さん。どんな思いが去来しているのでしょうか。

 9月3日、菅さんは「新型コロナウイルス対策に専念する」と不出馬の理由を語っておられました。「仕事師」らしい言い回しだと感じました。決断に至るまでは苦悩の日々だったろうと思います。横浜市長選(8月22日投開票)では与党候補が敗北し、菅首相誕生の立役者たる「二階(俊博幹事長)斬り」も党内で一部不評を買ったと聞きます。新型コロナ対策も出口が見えず、国民の批判が高まる中、急速に求心力を失っての退陣劇でした。

 政府筋は「新型コロナに苦しめられた1年だった。(携帯電話料金の値下げやデジタル庁創設などの)施策を打ち出しても、結局は感染者数で内閣支持率が左右された」と恨み節。9月16日に就任1年を迎え、菅さんは記者団に「国民の命と暮らしを守ることを最優先に、一日も忘れることなく、コロナ対策に明け暮れた」と胸を張りました。先の政府筋の発言は、首相が感じているであろう無念さを「代弁」したものと解します。

 「不出馬は一人で決断した」。側近たちは声をそろえます。かつて首相経験者は「政権トップは孤独」と語っていました。だからこそ、決断プロセスに「本当のことを言ってくれる人」の関与が重要なのでしょう。小泉進次郎環境相が菅さんに「引導を渡す」役割を担ったとされていますが、菅さん、「モノ言える側近」は今、周囲にどれだけいるのでしょうか。

 ここで菅さんをよく知る方にも登場いただきます。TBSテレビ「時事放談」で11…

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【2021自民党総裁選】

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