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2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

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岸田政権誕生 韓日議連会長が語る「宏池会リーダー」への期待

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インタビューに応じる韓日議員連盟の金振杓会長=韓国国会内で2021年10月1日午後3時38分、坂口裕彦撮影
インタビューに応じる韓日議員連盟の金振杓会長=韓国国会内で2021年10月1日午後3時38分、坂口裕彦撮影

 慰安婦や徴用工などの歴史問題で「1965年の国交正常化以降、最悪」と言われる日韓関係。新たに就任した岸田文雄首相の下で、関係改善に向けた道筋は見いだせるだろうか。韓国の元副首相で、同国の超党派国会議員で作る「韓日議員連盟」の金振杓(キムジンピョ)会長(74)に話を聞いた。【聞き手・ソウル坂口裕彦】

 ――最近の日韓関係への評価は。

 ◆韓日議連会長就任から6日でちょうど1年となる。東京オリンピックを関係改善に向けてうまく生かせなかったのは残念だった。文在寅(ムンジェイン)大統領は訪日に前向きだったが、結局、さまざまな事件が重なり実現できなかった。

 新型コロナウイルスの感染拡大も立ちはだかった。五輪の機運を高めるため、日本の超党派国会議員で作る日韓議員連盟と協力しながら、多角的な交流・協力イベントも企画したが、日本の緊急事態宣言の影響もあって開くことができなかった。

 ――慰安婦や徴用工などの歴史問題もある。

 ◆日本の主要政治家やマスコミは、両国関係はまるで慰安婦や徴用工の問題しかないように表現するが、それは大きな間違いだ。そもそも、これらは(司法機関である)韓国大法院(最高裁)の判決によって生じた問題だ。「(行政機関である)韓国政府が解決案を持ってくるまで自分たちは対応しない」との日本政府の姿勢は間違っている。

 関係改善に向けては、現実的なアプローチを重ねるべきだ。たとえば、両国の留学生やビジネス関係者がきちんと行き来できる環境を作ること。まずは解決できることから解決していくという視点が大切ではないだろうか。

 両国の政治家が「反日感情」「嫌韓感情」を自らの利益のために国内で利用してはならないとも思う。最近は、韓国でも「反日感情をあおるだけの政治家は良くない政治家」との認識が広がってきた。日本でも「嫌韓感情」をあおる政治家に対して、そのような雰囲気が起きなければならないのではないか。

 ――岸田新首相に対する印象と期待は。

 ◆岸田首相の誕生は、両国関係には良いことだ。自民党保守本流の派閥「宏池会」のリーダーで…

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【2021自民党総裁選】

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