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アクション大作の「るろうに剣心」最終章の2部作と、社会派ミステリー「護(まも)られなかった者たちへ」。両極の大作が、1年の間に立て続けに公開された佐藤健、32歳にして堂々の存在感である。そして今、「現状打破」の機会をうかがっている。
「るろうに剣心」は2012年に第1作が公開されてから10年、全5作のヒットシリーズとなった。時代劇のアクションに新風を吹き込んだ、自身の代表作である。「最終章の公開はすごく大きい」。長くつきあった超人的な剣の達人、剣心に別れを告げて、その直後に社会派ミステリー「護られなかった者たちへ」だ。
演じた利根は一転、寡黙な前科者だ。東日本大震災で心に傷を負い、放火で服役。出所した直後から、役所の生活保護行政に関わる職員が次々と殺される。事件を追う刑事笘篠(阿部寛)は、利根に疑いの目を向け、謎めいた過去に迫る。ミステリー仕立ての物語に、震災被災者の苦悩、生活保護の不正受給や給付拒否など、現代社会の影が浮かび上がる。中山七里の小説を、瀬々敬久監督が映画化した。
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