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火論

社会部、ワシントン・エルサレム特派員などを歴任した大治朋子専門記者によるコラム。

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意識を呼び覚ます写真=大治朋子

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 水俣病の現実を世界に知らしめた米国人写真家、ユージン・スミスさんを主人公にした映画「MINAMATA―ミナマタ」(アンドリュー・レビタス監督)を見た。ハリウッドの人気俳優、ジョニー・デップ氏が好演している。

 スミスさんはフリー・カメラマンとして写真雑誌「LIFE」(ライフ)などで活躍。太平洋戦争ではサイパンや硫黄島などで米軍に従軍取材し、1945年5月の沖縄戦取材では負傷している。59年に米誌で「世界の十大写真家」の一人に選ばれた。

 その後、日本人の母と米国人の父を持つアイリーンさんと結婚。71年9月から2人で水俣の取材を始めた。住民との距離を少しずつ縮めて写真を撮り続ける。地元の大企業・チッソの工場排水が原因で健康を害した人々の過酷な日常。不屈の住民運動。やがて世界の目を「水俣」に向けさせた。

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