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台湾海峡緊張

中国と台湾の対立が先鋭化しています。日米をはじめ、ASEANや欧州も巻き込んだ対立の行方は。

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中国軍機の台湾防空識別圏進入 米台の接近や外圧に比例して激化

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台湾の防空識別圏に進入した中国軍の戦闘機「殲16」の同型機=台湾国防部提供
台湾の防空識別圏に進入した中国軍の戦闘機「殲16」の同型機=台湾国防部提供

 中国の習近平指導部が、台湾周辺での軍事的行動をエスカレートさせている。1~4日には軍用機計149機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に相次いで進入した。台湾の蔡英文政権を威嚇するとともに、後ろ盾であるバイデン米政権を強く揺さぶる狙いがあるとみられる。

中国紙「台湾海峡で国慶節パレード」

 「中国は地域の平和を繰り返し侵害し、台湾を圧迫している」。台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は5日、中国を強く非難した。

 台湾国防部(国防省)によると、中国人民解放軍の戦闘機などが台湾のADIZに進入したのは、1日38機▽2日39機▽3日16機▽4日56機。台湾が現在の形式で進入数の公表を始めた昨年9月以来、1日あたりの進入数は今年6月15日の28機が最多だったが、1、2、4日の3度にわたり更新した。

 習指導部は台湾を「核心的利益」と位置づける。習氏は7月にあった中国共産党創建100年を記念する祝賀行事でも台湾統一について「党の揺るぎない歴史的任務だ」と表明。台湾に平和的な統一を呼びかける一方で「いかなる台湾独立のたくらみも粉砕する」と述べ、軍事行動も辞さない姿勢を示している。

 これに対し、中国と対立する蔡政権は近年、米国との連携を強化してきた。その度に、中国はADIZへの進入を急増させている。アザー米厚生長官(当時)と蔡総統が台北で会談した2020年8月や、クラック米国務次官(同)が台湾の李登輝元総統の告別式に出席した同年9月には、中国が激しく反発。複数の戦闘機が中台の事実上の停戦ラインとされる台湾海峡の中間線を越えた。

 また米欧などが台湾問題で中国への圧力を強めていることも、習指導部をいらだたせる要因だ。主要7カ国(G7)首脳会議が6月、台湾海峡の「平和と安定の重要性」を強調した際も、戦闘機など28機が台湾のADIZに進入した。

 今月はいずれも…

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