水管橋崩落から考える水道インフラ 老朽化率最悪、大阪の場合

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地中から掘り出された老朽化した水道管=大阪市中央区で2021年7月13日午前10時20分、柳楽未来撮影
地中から掘り出された老朽化した水道管=大阪市中央区で2021年7月13日午前10時20分、柳楽未来撮影

 水道インフラの老朽化が全国で深刻な問題になっている。和歌山市では3日、紀の川に架かる水管橋が崩落して市民生活に大きな影響が生じ、生活インフラの大切さと維持の難しさが改めて浮き彫りとなった。いち早く都市基盤の整備が進み、水道管の老朽化率全国ワーストの大阪市の現場を訪ね、全国的に更新が進まない事情を探った。

 水道管は地下に張り巡らされ、浄水場でつくった水を各家庭に届けている。しかし老朽化により腐食すると、断水や漏水の原因となる。破裂した水道管から水が地上に噴き上がる事案が全国で相次いでいる。

 厚生労働省によると、全国の水道管の総延長は約72万キロ。法定耐用年数の40年を超えた割合(老朽化率)は、2006年度末時点で6%だったが、年々増え続け、18年度末には17・6%にまでアップした。逆に、その年に更新された水道管の割合(更新率)は06年度が0・97%だったが、18年度は0・68%に低下した。毎年約5000キロが更新されているが、現在のペースでは全てを交換するのに約140年かかる。

 大阪市では、総延長計約5200キロのうち、老朽化率は49・2%(19年度末)で、全国の主要都市で最悪だ。…

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