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地球温暖化予測の基礎築く 真鍋淑郎氏らにノーベル物理学賞

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ノーベル物理学賞受賞が決まった真鍋淑郎氏=名古屋市内で2013年12月13日午後0時25分、大場あい撮影
ノーベル物理学賞受賞が決まった真鍋淑郎氏=名古屋市内で2013年12月13日午後0時25分、大場あい撮影

 今年のノーベル物理学賞に、気候変動予測の基礎を築いた真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員(90)ら3氏が選ばれた。地球科学では異例の受賞決定だ。地球温暖化に歯止めがかからず、コンピューターシミュレーションによる予測は我々の生活に欠かせない。真鍋氏らの業績に迫った。

 18世紀の産業革命以降、人類は大量の化石燃料を消費し、主要な温室効果ガス、二酸化炭素(CO2)を排出し続けている。このままCO2濃度の増加が続けば、地球の大気温度を上昇させる――。我々が直面する地球温暖化の将来予測の基礎を築いたのが真鍋氏だ。

 地球の大気は、太陽から来る光を吸収して温められる一方、放射によって冷やされることで、全体として気温が釣り合う「熱平衡」の状態を保っている。そこに影響を及ぼすのが、CO2や水蒸気などの温室効果ガスだ。CO2濃度の変動が気候に及ぼす影響の研究は100年以上前から行われてきたが、大気表面の放射収支だけでは正確な計算はできなかった。

 真鍋氏は放射に加えて、地表と大気の間の対流による熱のやりとりの影響を考慮し、大気を「地表から伸びる1本の柱」と仮定して高度ごとの温度を計算する「一次元大気モデル」を考案。このモデルを使い、CO2濃度が倍増すると、上空10キロまでの対流圏の温度が約2度上昇することを1967年に発表した。地球温暖化を定量的に示した世界初の研究成果だった。

 真鍋氏はその後、大気全体の流れをコンピューターシミュレーションするモデルの開発に着手。実際の大気と同じ三次元構造のモデルを検討し、大気と海の熱のやりとりなど海洋の影響を組み込んだ「大気・海洋結合モデル」を69年に発表した。コンピューター技術が飛躍的に向上した現在でも、複雑な気候システムを調べるために必要な今日の気候モデルの基礎となっている。

 真鍋氏は一貫して、C…

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