兵庫県の出先庁舎工事、事業評価実施せず入札中止に 制度形骸化

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明石街づくり対策室の移転予定地となっている山陽電鉄・西新町駅西側の高架下=兵庫県明石市で2021年5月27日、宮本翔平撮影
明石街づくり対策室の移転予定地となっている山陽電鉄・西新町駅西側の高架下=兵庫県明石市で2021年5月27日、宮本翔平撮影

 兵庫県出先機関の庁舎新築工事で、県が入札前に定めた「投資事業評価」を怠っていたことが毎日新聞の取材で判明した。評価制度の形骸化が露呈する形になり、斎藤元彦知事は「制度を点検する」とし、制度のあり方を検討する考えを明らかにした。

 県は6月10日、県加古川土木事務所明石街づくり対策室(明石市中崎1)の庁舎を移転新築する工事を一般競争入札すると発表した。翌11日、新庁舎の設計や建築、設備工事などを入札公告した。

 県は2000年、事業の投資効果の向上や実施過程の透明性を確保するため、事業開始前に必要性や有効性などを査定する「投資事業評価」を導入した。阪神大震災(1995年)を受けた行財政改革の一環で、総事業費1億円以上の施設建設や道路整備の新規事業などを対象とした。総事業費10億円以上は外部委員が審査し、結果を県ホームページなどで公開している。

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