防護服越しの抱擁 新聞協会賞受賞 コロナ下、伝えた体温 人々の強さ、一枚に

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8カ月ぶりの母・中島万里子さん(左)との面会で、防護服「メディコン」を着て抱き合う箕浦尚美さん=札幌市北区の介護付き有料老人ホーム「フルールハピネスしのろ」で2020年10月29日、貝塚太一撮影
8カ月ぶりの母・中島万里子さん(左)との面会で、防護服「メディコン」を着て抱き合う箕浦尚美さん=札幌市北区の介護付き有料老人ホーム「フルールハピネスしのろ」で2020年10月29日、貝塚太一撮影

 今年度の新聞協会賞に選ばれた毎日新聞の「ぬくもりは届く」は、当たり前の日常を奪った新型コロナウイルスの残忍さと、それに打ち負かされない市井の人たちの強さを、母娘の姿を通して表現した写真だ。防護服越しの抱擁は、取材した北海道報道部写真グループの貝塚太一記者(44)も「想像していなかったシーン」だという。写真と同時に撮影した動画は、米グーグルが、その年の象徴的な出来事をつないで年末に配信する映像コンテンツ「イヤー・イン・サーチ」の2020年日本版にも採用された。

 8カ月ぶりの母娘の再会。老人ホームで暮らす母の部屋に入った瞬間、防護服を着た娘は「お母さーん!」と声を上げ、互いの体温を確かめ合うように抱き合った――。

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