法人最低税率15%、アイルランドが承認 歴史的な国際合意が決着

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パリにある経済協力開発機構(OECD)の本部=AP共同
パリにある経済協力開発機構(OECD)の本部=AP共同

 巨大多国籍企業を念頭に置いた課税ルールについて、歴史的な転換が実現した。経済協力開発機構(OECD)を舞台にした交渉で、態度を保留してきたアイルランドなどが法人税の最低税率を「15%」とすることに賛同。法人税の引き下げ競争に歯止めをかける国際課税のルール策定は決着し、デジタル社会に対応した新たな税体系に移る。

 「一部の国はもっと高い税率を望んでいたが、我々の姿勢がそうした野心を和らげた。アイルランドは魅力的な投資場所であり続ける。将来も競争力を維持できると確信している」

 アイルランドのドノフー財務相は7日の声明で、国際課税ルールの最終合意に向けた前進を歓迎した。エストニアのカラス首相も同日、「最低税率はほとんどのエストニアの起業家には何の変化ももたらさない」と改革を受け入れる意向を声明で示した。

 企業のグローバル化が進む中、法人税改革は多国籍企業の「課税逃れ」を防ぐ国際的ルールの柱となる。1980年代以降、各国は企業誘致や投資マネー呼び込みのため、法人税率の引き下げ競争に陥った。低税率国や税金を課さないタックスヘイブン(租税回避地)に企業が拠点を移す動きが問題化し、2013年に英国で開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、麻生太郎財務相(当時)が国際課税ルールの見直しを提案した。

 新型コロナウイルス禍で各国の財政基盤が揺らぐ中で、トランプ政権ではルール作りに消極姿勢だった米国が、バイデン政権に移行すると…

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