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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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上皇ご夫妻迎えたアフガン知事 渡米後も大切にした写真と祖国愛

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アフガニスタン中部バーミヤン州で、手を取り合いながら石窟を見学される当時の皇太子ご夫妻(上皇ご夫妻)=1971年6月(ニラブ・パシュワクさん提供)
アフガニスタン中部バーミヤン州で、手を取り合いながら石窟を見学される当時の皇太子ご夫妻(上皇ご夫妻)=1971年6月(ニラブ・パシュワクさん提供)

 半世紀前に平和な時代のアフガニスタンで撮影された1枚の写真がある。手を取り合って中部バーミヤン州の石窟の段差を下られているのは、若かりし日の上皇ご夫妻だ。案内役だった州知事は最期の時まで、写真の思い出、そして苦難の時代が続くアフガンへの思いを家族に語っていた。

 「とてもすてきな人たちでね。要人の訪問の中でも、一番思い出深いんだ」。バーミヤン州知事として1971年6月、皇太子だった上皇さまと美智子さまを案内したニアマトゥラ・パシュワク氏(2009年に81歳で死去)は生前、三女ニラブさん(48)にそう語っていた。

 当時のザヒル・シャー国王が69年に来日したことへの答礼を兼ねた、ご夫妻の親善訪問だった。パシュワク氏は気に入った1枚をアルバムに保管し、家族に見せては「ご夫妻の礼儀正しさ、文化や歴史に対する理解に感銘を受けた」と思い出を語っていた。

 しかし、ご夫妻の訪問以降、アフガンは混迷の時代に入る。王族の一人が73年にクーデターを起こし、日本の皇室と交流していた国王は国を追われた。更に78年の共産主義革命や翌年のソ連の侵攻(89年まで)、90年代の内戦で荒廃が進んだ。ニラブさんは「日常的にロケット弾や爆弾の被害があり、治安悪化でカブールから出られなかった。街中で見かけるソ連兵が嫌で、目を合わせないようにしていた」と振り返る。

語学教育に情熱を注ぐ

 州知事の後も教育相などを歴任したパシュワク氏は…

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