雪積もる公園で冷たくなった娘 旭川・中2死亡、母「真相知りたい」
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冷たくなった娘のほおに、母はそっと手を当てた。「抱きしめたくても抱きしめられない。ようやく会えたのに」――。北海道旭川市で3月、市立中2年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)の遺体が、雪の積もる公園で見つかった。いじめに苦しんでいたとみられ、1カ月前に失踪。母親は2年前から何度も相談していたが、学校や市教育委員会はいじめと認めず調査を打ち切っていた。
大津市で中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺してから11日で10年になるのをきっかけに、爽彩さんの母が取材に応じた。いじめを巡る悲劇はなぜ繰り返されるのか。
母が異変を感じたのは2019年4月後半。元気で明るかった爽彩さんは、中学に入学後ほどなくして口数が減り、学校に行くのを嫌がるようになった。5月には「先輩に呼ばれているから」と震えながら家を飛び出したことも。いじめを疑った母は担任に複数回相談したが、「いじめではない。家庭に問題があるのではないか」と取り合ってもらえなかった。
6月22日、爽彩さんは市内を流れる川に飛び込み、教師らに保護された。母が駆け付けると、現場にいた中学生らに「(爽彩さんを)からかっていたら、怒って飛び込んだ」と言われた。娘の携帯電話を確認すると、他校の男子生徒らから陰湿な嫌がらせを受け、精神的に追い詰められていたことが分かった。
PTSDとの診断、転校後も症状に苦しみ
爽彩さんは病院で「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」との診断を受けた。2カ月半にわたる入院中、「(トラブルになった)先輩に謝らなくちゃ」と泣き叫ぶこともあった。母は学校に何度もいじめ被害を訴えたが、教頭には「10人の加害者の未来と1人の被害者の未来、どっちが大切ですか」「いたずらが過ぎただけで、悪意は無かった」…
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