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大都市圏の地震 混乱抑える備えの点検を

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 地震に対する大都市のもろさが改めて浮き彫りになった。

 7日に首都圏を襲った地震により、東日本大震災以来10年ぶりに東京23区内で震度5強の揺れを観測した。生活インフラに多くの被害が出て、市民を混乱させた。

 首都圏では30年以内に70%の確率で、マグニチュード7級の直下地震が起きると予測されている。今回の経験を対策に生かさなければならない。

 まず挙げられるのは、多数の帰宅困難者が出たことだ。午後10時41分の発生後、JR、地下鉄などが一時ストップし、大勢の人が駅周辺で立ち往生した。

 鉄道各社が終電時間にこだわらずに運行を再開させたり、タクシー会社が駅周辺に重点的に配車したりして対応した。

 首都直下地震が起きると、最大800万人が帰宅できなくなると見込まれている。東日本大震災の発生時を上回る人数だ。

 交通網のまひが長期にわたる事態が避けられないため、帰宅手段は徒歩などに限られる。だが、発生直後に人が道路にあふれると、救急車などの通行の妨げとなる恐れがある。

 国や東京都は企業に対し、社員をなるべく帰宅させないよう求めている。会社での待機が続くことを想定し、3日分の水や食料の備蓄も呼びかけている。

 発生後の対応としては、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに広がったテレワークの活用も有効だ。

 今回、ダイヤの乱れが発生の翌朝も残った。一部のJR駅で入場が制限され、周辺では通勤客らが長蛇の列をつくった。こういう時こそ、企業は在宅勤務を指示すべきだ。

 在宅で働ける体制をコロナの収束後も維持すれば、社屋が被災しても業務の継続が可能になる。

 ビルやマンションのエレベーターが一時使えなくなる事態も相次いだ。大地震では復旧が遅れ、高層階の住民らが孤立する状況も予想される。各家庭や管理組合による備蓄が欠かせない。

 より規模の大きい地震が起きた時に、混乱を最小限にとどめるための備えができているか。行政、企業、市民がそれぞれ再点検する必要がある。

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