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日本の選択 国会代表質問 新内閣の「顔見せ」だけか

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 総選挙直前の国会論戦は、これで本当に十分なのか。そんな疑問が一層募る質疑だった。

 岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党の代表質問がきのう、衆院本会議で始まった。

 衆院は14日に解散される見通しで、この3日間の衆参代表質問が最後の論戦になる可能性が高い。 しかし、首相の答弁は所信表明演説を肉付けし、具体化する内容とは言えなかった。この答弁で有権者が十分な判断材料を得られるとは思えない。

 最初に登壇した立憲民主党の枝野幸男代表が新型コロナウイルス対策の遅れをはじめ、安倍晋三、菅義偉両政権が残した負の遺産に焦点を当てたのは当然だろう。

 これに対し首相は、当初、中国からの入国制限に手間取った点に関して「結果的には改善すべき点があった」とは認めた。

 「これまでの対応を徹底的に分析し、何がボトルネック(妨げ)だったのかを検証する」とも述べて、いまだに検証作業が進んでいない実態を明かした。

 だが大半は「感染が落ち着いている今こそ万全を期す」と語るだけで具体性を欠いた。これでは国民の不安は解消されない。

 一連の「政治とカネ」の問題では、解明に消極的な姿勢がより鮮明になった。

 特に森友学園問題で「財務省が自らの非をしっかり認めた調査報告書をまとめている」と同省を擁護したことには疑問が残った。

 一方、自民党の代表質問者は甘利明幹事長だった。業者への口利き問題を抱える甘利氏を選んだのは、問題は決着済みとの姿勢の表れだというほかない。

 立憲側も総選挙を意識したのだろう。自らの選挙公約をアピールする場に利用した点は否めない。

 「経済成長より、まず国民への分配を」と主張する枝野氏に対し、「成長なくして分配なし」と改めて強調した首相が「それが旧民主党政権の失敗から学んだことだ」とやり返す場面もあった。

 こうした質疑をもっと有権者は聞きたいはずだ。このまま衆院解散では、代表質問は単なる新内閣の「顔見せ」で終わってしまう。

 参院の代表質問後、解散まで時間の余裕がある。せめて国会で党首討論を行うべきではないか。

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