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嵐を呼んだ財務次官の「ばらまき合戦」批判 異例の寄稿にざわつく訳

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月刊誌「文芸春秋」11月号に掲載された矢野康治財務事務次官の寄稿=東京都千代田区で2021年10月12日撮影
月刊誌「文芸春秋」11月号に掲載された矢野康治財務事務次官の寄稿=東京都千代田区で2021年10月12日撮影

 財務省の矢野康治事務次官が月刊誌「文芸春秋」に寄稿した論文が波紋を広げている。衆院選を控えた各党の政策論争を「ばらまき合戦」などと批判しており、与党内からは不満の声も上がる。裏方であるはずの現職官僚トップは、なぜ異例の寄稿をしたのか。

財務相、必死の火消し

 「事前に麻生(太郎)前大臣の了解を取っており、私にも出版前に報告があって手続き面に問題はない」。鈴木俊一財務相は12日の閣議後記者会見で、矢野氏の寄稿に関する財務省としての見解を改めて示して、火消しを図った。

 寄稿は8日発売の文芸春秋11月号に掲載された。「財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻する』」と題して、10ページにわたって日本の危機的な財政状況を訴えている。

 この中で矢野氏は、与野党の政策論争を「まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかり」と批判。日本の財政状況を「タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」と例えながら「(政策論議は)実現可能性、有効性、弊害といった観点から、かなり深刻な問題をはらんだものが多くなっている」と記し、直接的な表現で政治状況に懸念を示している。

 矢野氏は1985年に旧大蔵省入省。菅義偉前首相の官房長官時代の秘書官を務め、財務省では主税局長、主計局長といった要職を歴任した。今年7月、歴代は東京大出身者がほとんどを占める同省事務次官に一橋大出身者として初めて就任した。省内でもとりわけ厳格な財政再建論者として知られている。

 寄稿が世に出ると、与党からは不満の声が相次いだ。自民党の高市早苗政調会長は10日のNHKの番組で「大変失礼な言い方。今本当に困っている方…

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