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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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「飲食店に『未来』示して」 「獺祭」旭酒造社長が政府に直言

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日本酒「獺祭」で知られる旭酒造の桜井一宏社長=山口県岩国市の旭酒造本社で2021年10月4日午後0時36分、植田憲尚撮影
日本酒「獺祭」で知られる旭酒造の桜井一宏社長=山口県岩国市の旭酒造本社で2021年10月4日午後0時36分、植田憲尚撮影

 「全国の飲食店は疲弊し破滅の淵に立たされています」。2021年5月24日、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な打撃を受けた飲食業界の窮状を世に問う全面意見広告が日本経済新聞に掲載され、話題となった。仕掛けたのは、日本酒「獺祭(だっさい)」で知られる旭酒造(山口県岩国市)の桜井一宏社長(44)。衆院選で重要な争点となる感染対策と経済回復の両立について、「政治はもっと未来に希望を持てる施策を見せてほしい。このままでは飲食店も観光業も小売業も閉じてしまう」と訴える。【聞き手・植田憲尚】

苦境見て「やるしかない」

 ――なぜ日経新聞に意見広告を出したのですか。

 ◆飲食店が厳しいので社内から何かやろうという声が上がり、最初は署名活動をしようとしていました。しかし、ゴールデンウイーク中に栃木県に出張したところ、旭酒造に酒米を供給している農家さんから非常に苦しんでいるという話を聞きました。緊急事態宣言下の東京の飲食店の状況も見て、世間に対して早くインパクトのある形で声を上げなければと考え、署名でなく意見広告という形になりました。

 飲食店や生産者は当事者で言いづらい面がありますが、私たちは酒蔵で、利害関係者ではあるけれど一歩引いて言えるので、やるしかないと決意しました。

 日経新聞を選んだのは、ある程度経済的な観点から見ていただける読者が多いことと、主張をニュートラルな形で見てもらいたかったからです。私たちが危惧したのが、投げかけた時に何か偏った形で発信されていくことでした。それは避けたかったので、冷静に立ち止まって見てもらえる媒体かなと思って選んだんです。

 意見広告に否定の声があるのは望むところで、解決のための良い道を探そうという狙いでした。多くが賛同の声で、電話などが約100件来ましたが、SNS(ネット交流サービス)で反響が寄せられたのも大きかった。これで何か変わったかは分かりませんが、いろんな意見が出始めるお手伝いができたんだったらいいなと思っています。

あやふやな緊急事態の基準

 ――これまでの政府の飲食店に対するコロナ対策をどう見ていますか。

 ◆経済対策という点で言うと、対応が…

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