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浜崎洋介、古川勝久、上田岳弘、長島有里枝、小田島恒志、マヒトゥ・ザ・ピーポーの各氏が交代でつむぐコラム。

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私たちにできることは=マヒトゥ・ザ・ピーポー(ミュージシャン)

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マヒトゥ・ザ・ピーポー ミュージシャン=東京都港区で2020年4月11日午後2時1分、滝川大貴撮影
マヒトゥ・ザ・ピーポー ミュージシャン=東京都港区で2020年4月11日午後2時1分、滝川大貴撮影

 家にいると、大きな揺れと共にアイフォンのアラートが鳴り響く。嫌な響きで足がすくむような感覚は3・11の記憶と結び付いているからでもあるだろう。このアラートはむしろ逆効果なのでは? 戸棚から写真集が落ちてきて花瓶が倒れ、水と花がラグの上に転がった。

 揺れがおさまった後もなんだか揺れているみたいで、このままでは寝付けなそうだったから夜中の公園に出て知らないおじさんと線香花火をする。近くで建設業をしているみたいだ。「SNSに写真をあげるなら東京タワーと同い年と明記だけしてくれ」という迷言を最後に、ライターをくれて帰っていった。一人になった公園に冷たい風がひゅうと吹き抜ける。夏が終わった。

 そういえば今着ているISSEY MIYAKEのコートはアーティストのイ・ランとショッピングしている時に買ったものだと思い出し、久しぶりに電話してみる。懐かしいチング(友達)の声が電話口でした。もう2年は会っていない。コロナという時間が国籍というものを否応(いやおう)なく突きつけた。それまで日本と行ったり来たりしていたイ・ランも強烈に韓国の閉塞(へいそく)を感じているという。わたしも自治やアナーキ…

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