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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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野党共闘、どこまで 立憲・共産、思惑絡み選挙区で温度差 埼玉

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国会議事堂=川田雅浩撮影 拡大
国会議事堂=川田雅浩撮影

 衆院は14日に解散し、19日公示、31日投開票の衆院選に向けて事実上の選挙戦に入る。焦点の一つが野党共闘の行方だ。共産党県委員会は公認の候補予定者を埼玉県内15選挙区中、6選挙区に自主的に絞り込んだ。立憲民主党の中には共闘をアピールする陣営もあれば、連合や支持を受ける保守層への配慮から共産と距離を置く陣営もある。選挙区によって温度差がある中、さらなる候補一本化を模索する動きも続いている。【鷲頭彰子、岡礼子、山田研、隈元浩彦】

 「野党共有の政策が絞られてきた。しっかり訴えたい」。埼玉1区(さいたま市浦和区など)から立候補を予定する立憲の武正公一氏は7日、さいたま市内の集会で強調した。1区に立候補を予定しているのは他に自民の村井英樹氏、維新の吉村豪介氏、無所属の佐藤真実氏で、共産は擁立を見送った。

 武正氏は9月8日には市民団体「安保法制廃止・立憲主義回復をめざすオール1区連絡会」と安保法制廃止、コロナ対策の抜本的強化など5項目の政策合意を交わした。同会はこの政策項目について共産、れいわ新選組、社民党の3党の県組織などの賛同を得ており、1区では事実上の4野党共闘が実現する形となる。連絡会の原冨悟代表は「政治を変えようという雰囲気を高め、自民ではない選択肢を示す」と話す。

 共産は前回の2017年衆院選では県内12選挙区で候補者を擁立したが、今回は野党共闘を見据え、県委員会の判断で6選挙区に絞った。だが6選挙区でも、一本化を模索する動きが続いている。

 8日夜、寄居町の公民館。11区(秩父市など)で立候補表明している立憲の島田誠氏と共産の小山森也氏が初めて同席した。前回当選した自民の小泉龍司氏に対して、野党側の候補者一本化を求める「オール11区市民の会」からの「懇談」の呼びかけに応えた。

 島田氏側からは一本化への期待の声が上がるが、共産側は慎重な姿勢だ。小選挙区での出馬が、共産が重視する比例代表での得票につながるからだ。

 公職選挙法は、政党のビラは小選挙区の県内候補者数に4万を掛けた数まで配布できる――などと定めており、共産関係者は「小選挙区候補の有無が比例の得票に影響する」と明かす。実際に過去4回の衆院選を見ると、共産の11区での比例得票率は、小選挙区の候補者を擁立しなかった09年が6・73%と最も低かった。

 共産は今回、比例北関東で2議席以上獲得を目標とする(前回は1議席)。県委員会の荻原初男委員長は「19年参院選と同じ約30万の比例票を獲得できれば、2議席は望める」と意気込む。「これ以上、候補者は下ろしたくない」というのが共産の本音だ。

 共産と一定の距離を取る候補予定者もいる。12区(熊谷市など)では、自民の野中厚氏と立憲の森田俊和氏による現職同士の一騎打ちになる公算が大きい。前回は共産候補を交えた三つどもえの争いで、野中氏が492票差で競り勝った。

 森田氏は、約2万あった前回の共産票を上乗せできれば優位に立つように見えるが、取材に「私にとって、(共産など他の野党との)連携は必ずしも全部はプラスに働かない。保守系の層や、無党派層が離れる心配もある」と慎重な姿勢だ。

 一方の野中氏は「今回は『自・公』対『立憲・共産』の構図。実相はきっちりと訴えたい」と話し、むしろ与野党対決を強調したい考えだ。

【第49回衆院選】

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