水産庁の漁業者支援事業、ずさん申請で評価不全に 会計検査院指摘

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会計検査院=東京都千代田区で、柴沼均撮影 拡大
会計検査院=東京都千代田区で、柴沼均撮影

 漁業の省コスト化を進める水産庁の補助事業について会計検査院が調べたところ、補助を受けた漁業者の所得額の申請がずさんに行われ、補助の効果を確認できない状態だったことが関係者への取材で判明した。検査院は同庁に対し、漁業者に正確な所得額で申請させ、収益向上のため事後評価ができる体制の構築を求めた。

 水産庁は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)対策として2016年度から、漁業者の競争力を高めるため、エンジンやLED集魚灯などの漁業用機器の交換に補助金を交付してきた。機器の半額を補助するもので、上限は2000万円。補助の開始から5年で所得を1割上げることを目標にしており、各漁業者は毎年、補助事業を実施するNPO法人「水産業・漁村活性化推進機構」などに所得額を報告することになっている。所得が上がらない場合、漁協などが改善に向け助言する。予算額は毎年度、40億~50億円台で推移し、これまでに計約6000の漁業者が申請した。

 関係者によると、検査院が漁業者から提出された16~18年度の書類を1000件以上抽出調査したところ、基準となる初年度と、翌年度以降の所得額の算出方法が異なっていたり、税務申告書などを保存せずに自己申告に基づいていたりした。目標達成確認の前提となる基礎資料が正確でないため、検査院は、所得額の算出方法を統一させるなどして、適切に評価できる環境整備をするよう求めた。

 水産庁は「指摘に基づき、既に関係団体などに指示し、修正させた」としている。【山崎征克】

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