新作能「媽祖-MASO-」制作プロジェクト 海を越え、心をつなぐ物語

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 航海や漁業の守護神として東アジアで広く信仰されている道教の女神・媽祖(まそ)の物語を基にした新作能「媽祖―MASO―」の制作プロジェクトが進んでいる。京都のシテ方観世流、片山九郎右衛門が企画・指揮し、作家の玉岡かおるが原作・台本を担当。海を越えて人々の心をつなぐ清新な舞台を目指す。

 媽祖は中国・宋の官吏の娘だったが、言葉を話さないため「黙娘(もくじょう)」と呼ばれ、天に昇り神になったとされる。九郎右衛門は約20年前、台湾の舞踊家から媽祖の話を聞いた。新型コロナウイルス禍で海外との往来や舞台が次々に中止となる中、改めてその名が心に浮かんだ。「心の荒波に媽祖が舞い降りてきて、いてもたってもいられなくなって」媽祖の能の創作を決意。親交のある玉岡に作を依頼した。

 玉岡が能の原作に取り組むのは初めて。物語の背景を日本の天平時代に移した。「疫病や戦乱が絶えない時代でしたが、東大寺大仏開眼があり、国際交流もあった。ここに媽祖誕生の物語を凝縮させようと思いました」と話す。

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