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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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日本の選択 立憲民主党の公約 分配の先の社会像見えぬ

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立憲民主党のロゴ=東京都千代田区で2019年5月16日、曽根田和久撮影 拡大
立憲民主党のロゴ=東京都千代田区で2019年5月16日、曽根田和久撮影

 野党第1党の立憲民主党が衆院選の公約を発表した。第2次安倍晋三政権から続く経済政策「アベノミクス」を批判し、格差是正に取り組む姿勢を強調した。

 立憲には、源流である旧民主党が政権交代を果たしながら短命に終わったという負のイメージがつきまとう。再び政権交代の受け皿になるためには、それをどう拭うかが問われる。

 旧民主党政権は、子ども手当支給や最低保障年金の創設など多くの政策を約束したが、財源が手当てできずに行き詰まった。その教訓を生かし、政策の実現可能性を具体的に示す必要がある。

 今回の公約には、年収1000万円程度以下の人の一時的な所得税免除や低所得者への現金給付を盛り込んだ。新型コロナウイルス禍で冷え込んだ消費を喚起するため、消費税率の時限的な5%への引き下げも打ち出した。

 費用は、富裕層や超大企業に対する所得税の最高税率引き上げ、法人税への累進税率導入などのほか、国債で賄うという。必要な財源を確保できるのか、景気への悪影響はないのか。十分な説明が欠かせない。

 「1億総中流社会の復活」を掲げる。消費を支える中間層を厚くしようという方向性は理解できる。だが、高度成長期を想起させるキャッチフレーズが共感を得られるだろうか。多様性の時代にもそぐわない。

 分配を重視する姿勢は、岸田文雄首相も似通っている。与野党は、有権者の歓心を買おうとするあまり、「ばらまき合戦」にならないようにしなくてはならない。

 自民党との違いが際立つのはエネルギー政策だ。原子力発電に依存しない社会の実現をうたい、2050年には全ての電力を再生可能エネルギーで賄うという野心的な目標を示した。説得力のある工程表が必要だ。

 外交・安全保障政策では、日米同盟を基軸としながらも、米軍普天間飛行場の辺野古移設中止や日米地位協定の改定などを明記した。どう実現するのか、その道筋を示してほしい。

 与野党は、個別政策を列挙するのではなく、どのような社会を目指すのかを明示すべきだ。将来を見据えた議論こそ求められる。

【第49回衆院選】

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