G20財務相・中央銀行総裁会議 「物価安定のため行動」で一致

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日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区で2020年1月21日、高橋祐貴撮影 拡大
日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区で2020年1月21日、高橋祐貴撮影

 日米欧など先進国と新興国による主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日、米ワシントンで開かれ、原油価格の高騰などインフレ圧力の高まりを受け、各国の中銀が「物価の安定など使命を果たすため、必要に応じて行動する」ことで一致した。また、経済協力開発機構(OECD)が今月合意した新たな国際課税ルールへの支持も表明した。

 国際課税ルールは、OECDの8日の交渉会合で、非加盟国を含む136カ国・地域が最終合意した。法人税の国際的な最低税率を15%に設定するほか、巨大IT企業など多国籍企業を対象にした「デジタル課税」を導入する。

 G20財務相・中銀総裁は会議閉幕後に発表した共同声明で、「OECDが示した最終的な政治的合意を支持する。この合意により、より安定的で公正な国際課税制度が確立される」と表明し、2023年の新ルール導入に向け、多国間協定を早期に策定するよう求めた。

 日本からは財務省の神田真人財務官と日銀の黒田東彦総裁が出席。黒田氏は会議後の記者会見で「100年に1度の国際課税制度の大改正で、歴史的な合意だ」と評価。神田氏は「歴史的な合意をG20として支持することで、実施に向けた機運が確認された」と語った。月末からローマで開かれるG20の首脳会議(サミット)で、首脳レベルの合意を目指す。

 一方、物価上昇は、需要回復が進む一方で供給が追いつかないことなどが背景にあり、一時的との見方も多いが、各国中銀に引き続き状況を注視し、必要な場合は対応するよう求めた。

 会議ではこのほか、新型コロナウイルス危機からの景気回復に向けて「必要とされる間は、すべての利用可能な政策手段を用いる」方針を改めて確認したほか、低・中所得国での新型コロナワクチンの普及を支援することで一致した。

 主要7カ国(G7)も13日、財務相・中銀総裁会議をワシントンで開き、新たな国際課税ルールへの支持を表明した。また、各国が検討する中銀が発行するデジタル通貨(CBDC)について、G7や各国が導入時に留意すべき「公共政策上の原則」を策定した。会議後の共同声明では「いかなるCBDCも透明性、法の支配、健全な経済ガバナンスが必要」との原則を改めて確認した。【ワシントン中井正裕】

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