特集

読者の広場

「女の気持ち」「男の気持ち」「みんなの広場」「仲畑流・万能川柳」「人生相談」など、読者からの投書・声を集めました。

特集一覧

今週の気持ち

今週の気持ちは「夫婦だから」

  • コメント
  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 「女・男の気持ち」(2021年10月7~13日、東京・大阪・西部3本社版計16本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版10月13日掲載の投稿です。

   ◇

<今週の気持ち>

夫婦だから 埼玉県草加市・石川和巳さん(無職・64歳)

 7日、寝入りばなに大きな地震があった。携帯の警報が鳴り響き、後から聞けば私の住む市でも震度5弱。あの3・11を思い起こさせるような揺れだった。私は一足早く床についていたが、もちろん一瞬で目が覚めた。しかし、私は足腰が不自由で、いわゆる「ガバッと飛び起きる」わけにはいかないのだ。

 そのときだった。「地震! 地震!」と叫びながら、隣の部屋から妻が飛び込んできた。そして、何とか起き上がろうとする私の上に、突然覆いかぶさってきたのだ。まるで柔道の抑え込みをされたように、私はまったく動けなくなった。

 最初は、私にしがみついて恐怖に耐えているのだと思った。しかしそうではなく、妻は明らかに私を守っているのだった。何か落下物があっても、私は機敏に動けない。「落ちてくるなら私の上に落ちろ」と言わんばかりに、けなげに私の盾になっていた

 そんな妻を、私こそ守らなければ。私は両手の指を組んで、妻の頭の後ろに回した。特にたくましくもない、たった10本の普通の指だ。それでも私は、その指がたとえ砕けても妻を守りたいと思った。

 逃げなくてもいい。もし命を奪うような大きな揺れがさらに襲ってくるなら、そのときも2人一緒にいよう。そんな妻への精いっぱいの思いを込め、指を組み直した。後から思えば、何とも照れくさい話だ。

   ◇

<担当記者より>

 7日夜、東京でも久しぶりに大きな揺れを感じました。驚いて起きた方も多かったでしょう。今回の投稿者・石川さんは埼玉県在住。目が覚めたものの起き上がれず、妻と2人でお互いを守りながら揺れが収まるのを待ちました。担当記者はお電話を差し上げ、石川さんと次のようなやりとりをしました。

 揺れが収まった後、奥様とどんなお話をしましたか。「どうして来たの」と聞いたのですか。「いや、そういう(私を守ってくれる)つもりだったんだろうなと思って。聞かなかったです」。では、指を組んで奥様の頭を守ったことは伝えました? 「照れくさくて、特に言わなかったです」。掲載の際、題名をつけますがご希望はありますか。「夫婦だから、で」

 穏やかな語り口で、言葉数はあまり多くなかった石川さん。奥様を思う気持ちが、ご希望のタイトルからもひしひしと伝わり、そのまま採用させていただきました。みなさんからのコメントもお待ちしています。コメントはこちらからどうぞ

普段思っていることを書いてみませんか

夫、子どもや親への思い、仕事や日常の中での出来事や出会いなどを受付中です。

「女の気持ち」に投稿する

コメント

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集