対中経済か抑止力か迷う日本 まずは「強さ」をまとうべきだ/3
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4年ぶりの衆院総選挙は19日に公示され、31日に投開票日を迎える。唯一の同盟国である米国からは、日本がどのように見えているのか。新進の日本研究者に聞いた。全4回。第3回は米戦略国際問題研究所(CSIS)のニコラス・セーチェーニ日本部副部長に防衛問題を聞いた。経済を取り上げた4回目は17日朝に掲載する。【聞き手・秋山信一】
中国が急速に軍事力を伸長させる中、日本の安全保障政策は何を優先すべきなのか判断する時期に来ている。米国は、自衛隊による敵の拠点を攻撃する打撃力の保有に関するものも含め、日本で安保政策の議論が進むことを歓迎している。
並行して日米の役割分担に関する協議も活発化するだろう。
日本周辺での安全保障環境はより厳しくなっており、防衛に関する議論が活発になるのは自然な成り行きだ。衆院解散前に岸田文雄首相が言及した打撃力に関する問題でも、日本が独自に追求するのか、日米の役割分担の中で能力を高めていくのかなど議論すべき点は多い。
ただし、日本にとって予算も時間も限られている。国内で議論している間にも中国は軍事力を向上させていく。緊急に必要とされるのは何なのか。限られた人的な資源と財源をどう振り向けるのか。安全保障に関して、あらゆる分野で能力向上を追求していくような「ぜいたく」はできない。
米との「相互運用性」を高める
中国に対する抑止力を高めるには、まずは自衛隊と米軍が戦術や装備、通信などで共通性を持ち、「相互運用性」を高めることが大切だ。日米が演習を重ね、指揮管制など戦術的にも連携を強化していくことで、相手に軍事行動を思いとどまらせる上で重要なシグナルを送ることになる。
米国は、日本国内での議論の方向性に口出しはしないだろう。一方で、日米間でそれぞれの役割や任務、能力に関して話し合うのは当然のことだ。日本も米国との協議の中から、自分たちに必要な課題を見いだしていくだろう。
日本は、中国と経済的に相互に依存しているため、対話の機会を維持し、対中関係を安定させたいとも考えているはずだ。経済界も米中の戦略的競争の下で、身動きが取れなくなることを懸念している。中国に多額の投資をしている日本企業は、状況によっては米国の制裁対象になりかねないと危惧しているだろう。こうした…
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