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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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衆院選・コロナ下の選択

届いた支援は2万円「香典か?」 抗議に立ったミニシアター/5

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映画文化を支えてきたミニシアターへの支援を訴える「ユーロスペース」支配人の北條誠人さん=東京都渋谷区で2021年9月7日、宮本明登撮影
映画文化を支えてきたミニシアターへの支援を訴える「ユーロスペース」支配人の北條誠人さん=東京都渋谷区で2021年9月7日、宮本明登撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大は文化や芸術の分野にも多大な影響を及ぼしました。連載企画「衆院選・コロナ下の選択」の第5回は「文化のインフラ」とも呼ばれるミニシアターの危機に焦点を当て、東京・渋谷の老舗ミニシアター「ユーロスペース」の支配人、北條誠人さん(60)の声に耳を傾けます。新型コロナの問題で「雇用の調整弁」になったとも言われる非正規労働者を取り上げる第6回は17日朝に掲載します。

「時短に協力しているのに……」

 国会議事堂を前にして映画業界に携わる約30人が1列に並んだ。新型コロナウイルスの感染対策を考慮して全員がマスク姿のまま声は上げず、「ミニシアターにも協力金を」と書いた紙をそれぞれ掲げる。この国から映画文化の灯を絶やさないように――。祈るような思いで1時間立ち続けた。

 映画関係者がこうしたアピールをするまで追い込まれたのは、新型コロナの感染拡大が続き、3度目の緊急事態宣言発令を目前にした約半年前のことだ。東京・渋谷の老舗ミニシアター「ユーロスペース」の支配人、北條誠人さん(60)はこの活動を進めた中心人物の一人。コロナ下の経営難で赤字が膨らむ現状を憂え、政治に抗議したかったという。「飲食店と同じく時短営業に協力しているのに、公的支援を受けられないのはなぜなのか」

 ミニシアターは大手映画会社の直接の影響を受けない小さな映画館で、全国に130館ほどある。芸術性の高い映画や、世界各国の作品を映画ファンに届けてきた。スクリーン総数はシネコン(複合映画館)の1割に満たないものの、2020年公開映画の7割が上映され、ミニシアターだけの上映作品も4割に上る。表現の多様性を支えてきた役割から「文化のインフラ」とも呼ばれている。

 美術館や図書館のような公共性がある一方、元々がもうけの…

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