外国人と共生「コスト受け止める覚悟を」芥川賞・李琴峰さんの直言

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李琴峰さん=大坪尚人さん撮影
李琴峰さん=大坪尚人さん撮影

 直截(ちょくせつ)。それが李琴峰さん(31)から受けた強い印象だ。「彼岸花が咲く島」で第165回芥川賞を受賞した台湾生まれの李さん。日本在住8年の作家として日本語で多様な物語を紡ぐ一方、ツイッターなどで日本の社会や政治の状況にも切り込んで歯に衣(きぬ)着せぬ発言をし、時にインターネット上で攻撃の的になる。それでも、言うべきことは言おうという姿勢は堅固だ。その背景にどんな考えがあるのか。電話インタビューで聞いた。【和田浩明/デジタル報道センター】

外国人の政治的発言への攻撃は「差別」

 ――SNS(ネット交流サービス)の日本語圏では、外国人や外国ルーツの人たちが日本の「政治」に触れると激しい批判を浴びることがあります。

 ◆SNS上で政治に関わる発信をすると、「外国人なのにそういうことを言うな」と言ってくる人はいます。差別的発言で許されないと思います。私の発言に同意しないけれど、それにきちんと反論したり議論したりすることができないので、国籍に難癖をつけているのではないでしょうか。けんかに勝てない子供が相手をののしるようなものでしょう。

 私は外国人に禁じられている政治献金をしたり、国籍を偽って投票したりしているわけではないのです。日本では外国人であっても発言は原則として自由であり、法律の規制があるわけではありません。それが気に入らないという人は、一度外国人が自由に発言できない国に行ってみたらどうかと言いたいです。

 日本人でも、例えば中国に対する批判や韓国への不満、米国の大統領選挙に関する見解などを自由に発言してもいいと思います。差別的な言論でない限りそれは言論の自由で、それを制限しようとする行為は民主主義的制度と相いれず、許されないでしょう。

家探しなどで根深い外国人差別

 ――外国人として日本で暮らしてきて、ご自身が差別を体験したことはありますか。

 ◆日本の行政は比較的しっかりしていて、国民年金や国民健康保険、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援などでは、国籍で線引きをして外国人に払わなかったり加入させなかったりといった対応はしていません。こうした対応は先進国の部類に入ると思います。

 しかし、民間では私も含めて外国籍の人の多くが差別を体験しているのが家探…

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