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現代美術から「演劇」へ/上 制御できない「他者」取り込む=美術家・彫刻家 金氏徹平

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「tower(THEATER)」(KYOTO EXPERIMENT 2017、ロームシアター京都サウスホール) 守屋友樹さん撮影
「tower(THEATER)」(KYOTO EXPERIMENT 2017、ロームシアター京都サウスホール) 守屋友樹さん撮影

 どちらかというと演劇には苦手意識があった。私が大学生時代から取り組んでいた彫刻のおもしろさは、どんなものでも空間や社会の中に存在することで、いや応なく現実と関係する、地続きになる、という点にあった。演劇はその逆で、どんなものでも舞台上もしくは上演という仕組みの中で、フィクションになってしまう、うそっぽくなってしまうと感じていた。

 そんな中、2010年ごろに劇作家、演出家の岡田利規さんから、舞台美術のお話をいただいた時は、真っ白の状態であった。彼のカンパニー「チェルフィッチュ」などの作品をいくつか観(み)ていくと、それまでの演劇の印象そのままのものもたくさんあったが、チェルフィッチュには明らかに違うものを感じた。舞台上で初めて姿を現すリアリティーというか、言葉と身体を使って、観客の中に想像の塊を作り出すような感覚があり、形…

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