事実よりウソが広がるSNS 仕組みを変えたい 平和賞レッサ氏

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オンライン取材に応じるマリア・レッサ氏=2021年10月15日、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」の画面から
オンライン取材に応じるマリア・レッサ氏=2021年10月15日、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」の画面から

 今年のノーベル平和賞受賞が決まったフィリピンの独立系ネットメディア「ラップラー」の共同創設者、マリア・レッサ氏(58)が15日、毎日新聞のオンラインインタビューに応じた。ネット交流サービス(SNS)を通じてフェイク(偽)ニュースがあふれ、「事実よりウソが速く広がる」現状に対し、「民主主義の危機だ」と指摘。そのうえで、利用者の見たい情報を優先的に表示するSNSのニュース配信のアルゴリズム(計算手法)を変革し、「事実が常に勝利するジャーナリズムを守りたい」と訴えた。

 主なやりとりは以下の通り。

 ――レッサさんが重視するジャーナリズムとは何でしょう。

 ◆私の考えるジャーナリズムはシンプルだ。国民の代理として質問し、政府や権力に説明をさせること。そのために必要なのは、「使命」「倫理」「勇気」。厳しい質問をする勇気というのは、一番大切だと思う。

 また、ジャーナリズムはプロセスが重要だ。(1988年に米CNNのマニラ支局長として)私が仕事を始めたとき、前任者は身長190センチ近いプロテスタントの白人男性だった。私は小柄なフィリピン系アメリカ人だ。それぞれの視点があり、同じにはなり得ない。しかしジャーナリストは特定の思想を広める宣伝役ではない。違いがあっても「客観性」を担保できるのは、編集者や法律顧問という別の視点を経るからだ。それには時間もかかるし、多くの人を雇うためにお金もかかる。しかしそれが情報に責任を持つということだ。

 私が心配するのは、このプロセスが、…

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