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高校野球・秋季大会2021

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敦賀気比のエース上加世田、ピンチで笑顔の理由 秋季北信越大会

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【敦賀気比-富山第一】7回3安打で完投した敦賀気比の上加世田頼希=長野県の松本市野球場で2021年10月16日午後0時17分、森野俊撮影 拡大
【敦賀気比-富山第一】7回3安打で完投した敦賀気比の上加世田頼希=長野県の松本市野球場で2021年10月16日午後0時17分、森野俊撮影

 来春のセンバツ出場校選考の参考資料となる高校野球秋季北信越大会は16日、長野県松本市などで開幕した。敦賀気比(福井3位)は富山第一(富山1位)に8―1で七回コールド勝ち。エースで4番で主将。三つの重責を担う先発・上加世田頼希(うえかせだ・らいき、2年)が、技術と精神の両面で昨年から成長した姿を見せた。

 3点リードの四回の守り。2死一塁から三塁手の伊藤剛志(1年)が正面のゴロをトンネルし、ピンチが二、三塁に広がると、満面の笑みで伊藤に言った。

 「カバーしてやるから大丈夫」

内野手に笑顔で声をかける敦賀気比の先発・上加世田頼希=長野県の松本市野球場で2021年10月16日午後0時18分、森野俊撮影 拡大
内野手に笑顔で声をかける敦賀気比の先発・上加世田頼希=長野県の松本市野球場で2021年10月16日午後0時18分、森野俊撮影

 6番打者をにらみつけてマウンドに戻ると、2球で追い込み、変化球を挟んだ4球目、137キロの直球で三振を奪うと、再び伊藤に笑顔を向けた。上加世田は「僕が先輩にしてもらったのと同じことをしただけです」と振り返った。

 記憶にあるのは、背番号18を付けて先発マウンドに立った昨秋の北信越大会決勝だ。上田西(長野)に15安打を浴び、5点を失ったが、味方打線が16点を奪い、完投することができた。「先輩が助けてくれるという安心感があった」と、どれだけ打たれても笑顔を続けた。優勝を決めて「ナイスピッチング」と言われると、目頭が熱くなった。自身も「皆が伸び伸びとプレーできる雰囲気を作れる選手になる」と誓った。

 今夏の甲子園は内野手として全3試合にフル出場し、計6安打3打点で8強入りに貢献した。新チームになると、エースで4番、さらに東哲平監督から主将に指名された。「点が取れなきゃ僕のせいで、点を取られても僕のせい。それに主将。正直、今も、ものすごいプレッシャー」と明かす。東監督も理解した上で、「経験や責任感の強さを見て、あいつしかいないと思った」と話す。

 主将になった上加世田は二つの目標を立てた。「グラウンドで暗い顔をしない」「口だけにならずプレーで示す」――。試合中の声や笑顔は絶やさず、自主練習の時間は延びた。この試合は外野に届く大声で守備位置の指示や励ましの声を送った。

 「頼希」という名前には「頼られ、誰かの希望になる人になってほしい」との思いが込められている。応援に訪れた母美鈴さん(48)は「少し近づいてきたかな」と喜んだ。一方、7回3安打で最少失点にとどめながら、「甘い球や力が入りすぎた高い球があってまだまだ。70点くらい」。自らには厳しく、高みを目指していく。【森野俊】

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